化学反応が起こると、必ず熱が出たり入ったりします。
・吸熱反応
・発熱反応
の2つがあり、前回の記事では発熱反応の身近な例をご紹介しました。
⇒発熱反応が発生する身近な例
吸熱反応とは化学反応が起こるときに周りから熱を奪う結果、
周りの温度が下がる反応のことです。
つまり吸熱反応が起こると周辺の気温が下がります。
では吸熱反応ってどんなところで起こっているのでしょうか?
今回の記事では吸熱反応の身近な例をご紹介していきます。
Contents
吸熱反応が発生する身近な例
吸熱反応ってどういうものに利用されているでしょう>
たとえば打ち水を挙げることができます。
打ち水というのはたとえば、居酒屋の店の前なんかで
夏の暑い時期にお店の人が水を撒いている様子を見たことがないでしょうか?
上記画像をご覧ください。
かき氷屋さんのおばちゃんがバケツを持って
水をまいていますね?これが打ち水です。
水をまくことで気温が下がるんです。
涼しくするために水をまいています。
打ち水の原理というのは、水をまくと液体の水が蒸発するのですが。
蒸発するときに周りから熱を奪うのです。
熱を奪って水蒸気になります。
すると当然、周りの気温が下がるわけです。
打ち水というのは水をまいて気温を下げるという行為で、
大昔から存在する伝統的な涼しくする方法になります。
昔はエアコンや扇風機さえない時代もあったわけですから、
そういうときには水をまいて気温を下げるということをしていたのです。
他にも吸熱反応が身近に起こる例があります。
瞬間冷却材です。
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瞬間冷却材をバンバン叩いてみると
ものすごい勢いで冷たくなってきます。
どうして冷たくなるのでしょう?
・尿素
・硝酸アンモニウム
・水が入った袋
などが入っています。
瞬間冷却材を叩くとまず、水が入った袋が破れます。
そして水が入った袋の外にある尿素と硝酸アンモニウムとが混ざり合います。
これらの化学反応によって吸熱反応が起こり
冷たくなってくるのです。
他にも身近に存在する吸熱反応があります。
重曹($NaHCO_3 $)とクエン酸($C_6H_8O_7 $)を使ったお菓子作りですね。
口に入れるとひんやりするお菓子のことです。
ただ、このことを知ったからといって
適当に重曹とクエン酸を混ぜてお菓子を作らないでくださいね。
作り方を間違えると15℃ほど温度が低くなるので
低温火傷などの原因になりますから。
ちなみに吸熱反応が起こりすぎないようにするには水を加えるとよいです。
吸熱反応が起こる身近な例まとめ
・打ち水
・重曹とクエン酸を使ったお菓子
・瞬間冷却材
を挙げました。
こんな感じで熱が出たり(発熱反応)、熱を奪ったり(吸熱反応)するような
状態変化や化学反応が存在します。
⇒発熱反応が発生する身近な例
熱を放出するのを発熱反応、熱を吸収するものを吸熱反応と呼んでいるのですが、
では、発熱反応と吸熱反応って何が違うのでしょう?
どういうときに発熱するのか、どういうときに吸熱するのか?
エネルギーという視点から次の記事で解説していきたいと思います。
⇒熱化学方程式とエネルギー図で発熱と吸熱反応を表すコツ