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化学

ルシャトリエの法則についてわかりやすく解説

ルシャトリエの法則 わかりやすく

今回の記事ではル・シャトリエの平衡移動の法則についてわかりやすく解説します。

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ルシャトリエの平衡移動の法則についてわかりやすく解説

フランス語を習ったことがありますか?
ル・シャトリエの(平衡移動の)法則の『ル』は男性の定冠詞です。
だからル・シャトリエといったら『シャトリエおじさん』という意味になります。

フランス語で『ラ』は女性の定冠詞なので、
もし『ラ』シャトリエだったら『シャトリエおばさん』だったわけですね。
まぁ、どうでもいい話ですが(苦笑)。

では本題に入っていきますよ。

まぁ、ルシャトリエの平衡移動の法則の『平衡』ってどういう意味でしょう?
平衡とはわかりやすくいうと『止まっている状態』のことです。

ということは『平衡移動』って不思議な言葉ですよね。
平衡という止まっている状態なのに『移動』するわけですからね。

平衡というのはとりあえず止まっている状態です。
ただ圧力を変えたり、温度を上げることで
以下のような反応式でも、右辺に反応が移動したり
左辺に移動したりするわけです。

$H_2 $+$I_2 $(気体)⇔$2HI $
(可逆反応)

そして最終的には新しいところで落ち着きます。
これを『平衡移動』といっているわけです。

あくまで平衡状態は見かけ上止まっているわけです。
でも、温度を上げるなど、条件を変えたら
現在地点では釣り合いが取れなくなります。

もっと別のところに移動して釣り合おうとします。
条件を変えた場合に、左右どっちに移動して新しいところに落ち着くのか?という話が平衡移動です。

ところでル・シャトリエの平衡移動の法則は4つあります。
以下、詳しく解説していきますね。

ルシャトリエの(平衡移動の)法則(1)圧力

以下の式をご覧ください。

$N_2 $+3H_2 $⇔$2NH_3 $

左辺はいくつありますか?係数に注目してくださいね。
$N_2 $の1つと3H_2 $の3つで合計4つ(4分子)ありますね。

同様に右辺は$2NH_3 $の2分子ありますね。

では圧力を高くしましょう。
圧力を高くすると分子数の少ない方に移動します
左辺は分子数が4で右辺は分子数が2なので、圧力を高くすると右側に移動します。

これは暗記すべき事項でしょうか?
暗記は不要です。

ルシャトリエの基本理念は『和』です。
『和』とは『和らげること』です。

では圧力を高くした結果、分子数が少ない方に移動することが
『和らげる』ことにつながるのでしょう?

圧力が上がると
圧力が上がりすぎないように分子数を減らす
わけです。
圧力を和らげるようにしているってことです。

ルシャトリエの(平衡移動の)法則(2)濃度

$N_2 $+3H_2 $⇔$2NH_3 $

という反応について考えてみましょう。

上記反応に、さらに$N_2 $(窒素)を加えてみましょう。
すると、左辺の$N_2 $が過剰に増えます。
なので、$N_2 $を減らそうと右側に移動します。

$N_2 $+$3H_2 $⇔$2NH_3 $

では上記式に対して$NH_3 $を取り除いたらどうなるでしょう?
つまり、右辺の$2NH_3 $がなくなるわけですね。

すると、平衡は右に移動しますね。
右に移動することで$2NH_3 $の数が元に戻りますから。

ここまでまとめると、

反応が右に移動するパターン

・$N_2 $を加えた
・$NH_3 $を取り除いた

ということです。

・何かを加えたら、その加えたものを減らす方向に平衡は移動する
・減ってしまったら、補う方向に平衡は移動する

先ほどのルシャトリエの理念である『和(和らげること)』で考えてみますと
$N_2 $を加えて増えたら、減らして過剰な数を和らげる方向に
$NH_3 $を取り除いた、数を補ってあげて、できるだけ和らげる方向に反応が進みます。

ルシャトリエの(平衡移動の)法則(3)温度

以下の熱化学方程式があったとしましょう。

$N_2 $+3H_2 $=$2NH_3 $+92KJ

上記式があった時に温度を高くしたら左か右、どちらに反応が進むでしょうか?

エネルギー図で考えてみましょう。

右辺の92KJを足したら左辺とイコールとなるわけなので、
以下のようなエネルギー図になりますね。

エネルギー図

右辺に92KJを足したら左辺とイコールという図です。
だから右辺の方がエネルギー図的には低くなります。

ここで温度を高くしてみましょう。
温度を高くするとエネルギーは上がります。

暑い空気って上に行きますよね。
氷に熱を加えたら液体になり、
液体に熱を加えたら蒸気になりますよね。

氷よりも水の方が、水よりも上記の方がより遠くに移動できますよね。
簡単にいうと、熱を加えた結果、エネルギーが増したからです。
沸騰した液体を手に当てたら火傷しますよね。
これもエネルギーの影響です。

話を元に戻します。
温度を高くするということは、エネルギーが高くなります。
温度を高くすることはエネルギーを加えることと同じです。

エネルギー図

だからエネルギーレベルが高い左辺($N_2 $+3H_2 $)の方が増えます。

逆に冷やすとどうなるでしょう?
冷やすということは熱量を奪う、つまりエネルギーを奪うわけですから、
エネルギーが低くなります。

エネルギー図
なので、エネルギーの低い方が増えることになります。

別の言い方をすると、温度が高くなると発熱反応は左側に移動します。

$N_2 $+3H_2 $=$2NH_3 $+92KJ

で、+92KJとなっているのは発熱反応です。
だから、上記熱化学方程式だと温度を高くすると左側に移動します。
逆に冷やしたら右側に移動します。

逆に吸熱反応は左と右の関係が逆になります。
だから右辺の方が高くなります。
だから、吸熱反応だと温度を上げると右側に進みます。

でも、このように考えると小難しいです。

エネルギー図

なので、エネルギー図で考えましょう。
温めたらエネルギーが上がる、冷やしたらエネルギーが下がるということを
エネルギー図を使って上下どちらになるか考えましょう。

次に左右を考えます。
温度が高くなれば、上記図だと左に行き、
温度が低くなれば右に行くと理解してください。
そう考えた方が分かりやすいと思いますよ。

ルシャトリエの(平衡移動の)法則(4)触媒

触媒を加えても平衡は移動しません。

$v_1 $、$v_2 $ともに増加します。

前回の記事で解説しましたが
反応速度は$v_1 $、$v_2 $ともに同じ割合で上がります。
だから、結果的に触媒の場合には平衡移動は起こりません
どっちも速度が上がるからです。

ちなみに触媒と書いてますが、正触媒の話です。
触媒というと反応をアシストするというイメージが強いかもしれませんね。

ルシャトリエの(平衡移動の)法則(番外編)正触媒と負触媒について

反応をアシストする物質のことを正触媒といいます。
今回の記事では正触媒の話でした。

でも逆もあります。
負触媒といいます。
負触媒とは反応を邪魔する触媒のことです。

たとえば、白金カイロ。
白金カイロのおかげでゆっくり燃えるため
火傷せず、燃料も長く持ちます。
白金という負触媒がないと、一気に燃えてしまい火傷するし
すぐに燃え終わってしまいます。

でも白金が反応の邪魔をすることで反応を遅らせ、
結果的にゆっくり燃えるカイロが完成するわけですね。

そんな場合に、負触媒が実生活に役に立つわけですね。

触媒というのは反応を助けるだけではダメってことです。
邪魔する触媒も必要ってことです。

以上で解説を終わります。

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