もし入試問題とか定期試験の問題文中に
「水の蒸発熱44kJ/mol」と書いてあったら
おそらく難しい問題だと思います。
だから化学の偏差値が40とか50くらいの人だと
解けない可能性が高いでしょう。
逆に偏差値が60くらいある人は
「水の蒸発熱44kJ/mol」という問題を見て
「これは他の受験生と差をつけれる問題だ」
って喜ぶ可能性が高いでしょう。
それくらい「水の蒸発熱44kJ/mol」というのは合否に影響を及ぼす問題だと
私は考えています。
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他人が間違える問題を正解して合格するというのが入試ってものだと思います。
だから他人が間違える問題を正解できるように力をつけるようにしましょう。
今回解説する知識は他人が間違えるけど、
正解すれば合格できる可能性が一気に高まると個人的には考えています。
それでは本題、
『水の蒸発熱44kJ/molがプラスかマイナスか間違えずに熱化学方程式で表す考え方』
について解説します。
水の蒸発熱44kJ/molを熱化学方程式ではプラスマイナスどっち?
エネルギー図を書いて説明しますね。
エネルギー図について知りたい方はこちら
・熱化学方程式とエネルギー図で発熱と吸熱反応を表すコツ
まず、以下のような反応式があるとしましょう。
$C$+$O_2 $=$CO_2 $+30KJ
上記式は発熱反応ですね。
だから
上記図の左側の図が該当します。
そして
上は右辺の$CO_2 $に+30KJしたら(30KJのエネルギーを与えたら)
左辺の$C$+$O_2 $と等しくなるという図になります。
ただこのように考えると、
今回の記事テーマ『水の蒸発熱44kJ/molを熱化学方程式ではプラスマイナスどっちか』
というのがわかりにくくなります。
ではどのように考えたらよいのでしょう?
$C$+$O_2 $から$CO_2 $ができたときに30KJ発熱するということは
30KJ分だけエネルギー図のように下がると考えます。
・+30KJときたら30KJだけ下がると覚える
・逆に-30KJなら30KJだけ上がると覚える
たとえば、
$C$+$O_2 $=$CO_2 $ー30KJ
と-30KJとなっているなら
上記図のように30KJ上がったところにくると考えます。
まずこのように考えましょう。
というか、覚えましょう。
・+30KJときたら30KJだけ下がると覚える
・逆に–30KJなら30KJだけ上がると覚える
です。
次に
上記エネルギー図の関係は熱を与えたら『上に行く』(吸熱反応)が基本型です。
たとえば、水で説明しますね。
氷は固体の水ですね。
その氷に熱を与えたら液体の水になります。
逆はありませんよ。
液体の水に熱を加えて氷になりことはありません。
次に液体の水に熱を与えたら必ず水蒸気になります。
何を言いたいか?というと位置関係です。
固体よりも絶対に液体が上にあって
液体よりも絶対に気体が上にあるということです。
固体にエネルギー(熱)を与えたら液体になって
液体にエネルギー(熱)を与えたら気体になるということです。
これを式で書くと
固体+QKJ=液体
液体+QKJ=気体
ということです。
上記の関係がわかってたら大丈夫です。
どういうことか?というと、
液体+QKJ=固体
みたいな話はありません。
上記式は液体に熱を与えたら固体になったという意味になります。
だからあり得ません。
固体に熱を与えたら液体になるといいことですから。
ところで
固体+QKJ=液体
液体+QKJ=気体
の式を変形してみましょうか。
固体+QKJ=液体
を変形すると(左辺の+QJを右辺に移項する)
固体=液体ーQKJ
となりますね。
ここまで踏まえたら、もう答えは出ますよ。
『水の蒸発熱44kJ/mol』ということは
$H_2O $(液)=$H_2O $(気体)
上記式の$H_2O $(気体)の隣にプラスがくるか、
それともマイナスがくるか?という話です。
液体に熱を与えて気体にするわけですね。
だから液体と気体の関係を言ってますから
液体+QKJ=気体
が基本形ですね。
上記式を移項すると
液体=気体ーQKJ
と、マイナスの符号になりますよね。
だから
$H_2O $(液)=$H_2O $(気体)ー44KJ
とマイナス44KJとなるわけです。
水の蒸発熱が44KJと問題文に書いてあったら
マイナスなのか、プラスなのかと符号を考えたくなる気持ち、すごくわかります。
でも符号のことは気にしない方がよいです。
固体が液体になっているとか
液体が気体になっているみたいな位置関係を理解していれば
マイナスなのかプラスなのか符号は簡単に判断できますね。
わかっていただけたらうれしいです。
以上で解説を終わります。