以前の記事で分子間力の種類について解説しました。
⇒分子間力の種類
分子間力という引力で、いっぱい分子が集結したら固体ができます。
結びつきによって物質ができます。
そしてそのとき、物質特有の性質が現れてくるのです。
分子結晶とは分子間力でたくさんの分子が集結してできた固体のことです。
では分子結晶にはどんな特徴があるのでしょう?
一般的な内容はこちらで解説しています。
・分子結晶の特徴をわかりやすく解説
今回の記事では
・昇華性があるのか?
・電気伝導性があるのか?
などについてわかりやすく解説していきます。
ちなみに大学受験で化学を選択しているならこちらがおすすめです。
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分子結晶に昇華性がある?
ドライアイスは二酸化炭素の固体ですが、
分子結晶の代表例として有名です。
分子結晶でドライアイス以外の例誰か教えてくれ……ググってもドライアイスしか出てこん
— 亡骸 (@nak1gara3) February 13, 2022
分他にもヨウ素とかナフタレンは分子結晶の代表例として有名ですね。
石英は非常に硬いが、ナフタレンの結晶はやわらかい。理由は「石英は共有結合の結晶でナフタレンは分子結晶である。結晶を壊す時、前者では共有結合を切らなくてはならないが、後者では弱い分子間力による引力を切れば良いから」である。
— 化学知識ボット (@kagakutisiki) May 19, 2022
今回の記事ではドライアイスを例に解説していきます。
ドライアイスは『ドライ』『アイス』ということで『乾いた』『氷』ですね。
でも、氷ではありませんけどね(苦笑)。
もともとは商品名だったようです。
まめちしきー。
セロテープはニチバンの商品名であり、セロハンテープがあの道具の名前である。
ホチキスとステープラー、キャタピラと無限軌道みたいなものだ。ちなみにドライアイスも商品名だ。アメリカのドライアイス社の商品だから。
個体二酸化炭素があの物質の本当の名前。— 深田あり (@VXZYllwwLTZX0Y6) June 12, 2020

ドライアイスの場合、二酸化炭素分子が無極性分子になるので
ファンデルワールス力という引力が無数に集まってドライアイスという固体が出来上がります。
ファンデルワールス力とか無極性分子はこちらの記事で解説
⇒分子間力の種類
では分子結晶ってどんな特徴が出てくるのでしょう?
ドライアイスを例に考えてみましょう。
分子結晶というのは分子間力で分子が集まって固体ができているわけです。
また、分子間力の中でも水素結合が一番強いという解説も以前の記事でしています。
こちらで水素結合の解説をしています。
⇒分子間力の種類
ただ、水素結合の結合力が強いといっても
それは分子間力の中での比較の話です。
別の記事で解説している共有結合、イオン結合、金属結合などと比べると分子間力(水素結合)は
はるかに弱い力です。
共有結合、イオン結合、金属結合についてはこちらで解説しています。
・化学結合の種類についてわかりやすく解説
それくらい分子間力は弱い結合なのですが、
その弱い結合の中でも水素結合は強い方の結合だということですね。
水素結合以外にも分子間力はあります。
詳しくはこちらで解説しています。
⇒分子間力の種類

ファンデルワールス力は水素結合よりも弱い分子間力の一種です。
なので、結合力は大したことがありません。
なので、分子結晶というのは柔らかいです。
結合が強ければ強いほど固体は硬くなります。
弱い結びつきで固体を作っている分子結晶は柔らかいです。

そして分子結晶は状態変化として固体が一気に気体となる性質があります。
これを昇華性といいます。
ドライアイスには昇華性があります。
アイスを溶かさないために、
ケーキを腐らせないためにドライアイスを保冷剤として使いますよね。
もしドライアイスが液体になってしまったら
中が水浸しになってしまいますよね。
そんなことにならないのはドライアイスには昇華性という性質があるからです。
ドライアイスは固体から一気に気体に変化し、
そのときに発する冷気によってアイスやケーキを冷やしているわけですね。
ドライアイスに昇華性があるからこそ保冷剤として利用できるわけです。
『ドライ』『アイス』=『乾いた』『気体』という名前は
ここからきています。
液体にならないということですね。
ではどうしてドライアイスには昇華性があるのでしょう?
ドライアイスは分子結晶、ファンデルワールス力で結びついています。
ファンデルワールス力は弱い結合です。
なので、簡単に結合が切れるのです。
結果、分子が外に出ていきます。
これを昇華といいます。
ファンデルワールス力という弱い結合でできているため、
簡単に結合が切れます。
結果、固体から一気に気体になるため。
分子結晶に電気伝導性がある?
結論として分子結晶には電気伝導性はありません。
固体の性質を考えるときに電気伝導性はよく取り上げられますが、
電気を通すかどうか?って何で決まるのでしょう?
電気伝導性というのはプラスとかマイナスの粒が動くかどうかで決まります。
もしプラスやマイナスの粒が動くなら電気伝導性があります。
専門用語で言ったら正電荷や負電荷を持った電荷を帯びた粒子の移動によって
電気伝導性が出てきます。

上記画像から明らかなように分子結晶にはプラスやマイナスの電荷が存在していませんよね。
そんな粒子は存在していません。
だから正電荷や負電荷が動くこともありません。
なので、分子結晶には電気伝導性はありません。
分子結晶に昇華性や電気伝導性がある?
分子結晶には
・昇華性はある
・電気伝導性はない
です。
昇華性があるのは分子結晶はファンデルワールス力という弱い結合でできているためです。
弱い結合だから簡単に切れて固体が気体に変わるため昇華が起こるのです。
電気伝導性は正電荷や負電荷が移動することで発生します。
分子結晶には正電荷や負電荷がないため、
電気の移動が起こりません。
だから分子結晶には電気伝導性はありません。
以上で解説を終わります。