私は獣医師として日々、
ペットの診察をしています。
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氷酢酸や無水酢酸などの知識は結局、
ペットにも使うことがあるサリチル酸などのお薬の知識につながるので重要です。
そこで今回の記事では
無水酢酸と氷酢酸の違いについて解説します。
無水酢酸と氷酢酸の違いとは?
無水酢酸を氷酢酸と勘違いする人がいます。
以前の記事で氷酢酸について解説しています。
氷酢酸は純粋な酢酸のことです。
これに対して無水酢酸というのは
上記画像のように酢酸と酢酸の間から水が取れた形をいいます。
無水酢酸をまとめて表記すると
$(CH_3CO)_2O $となります。
昨日は酢酸100%である氷酢酸を説明しましたが、これとは別に無水酢酸というものがあります。
「水が入っていない酢酸」と誤解されがちですが、2分子の酢酸が脱水してできる酢酸とは全く別の物質です。
よく麻薬などの精製に用いられることから数年前に劇物に指定されてしまいました。#一日一化学 pic.twitter.com/jiHUcyWvnn— Wizard 2222 (@2222Wizard) January 8, 2022
まとめますと
・氷酢酸は純粋な酢酸
・無水酢酸は酢酸と酢酸の間から水が取れたもので$(CH_3CO)_2O $
ということです。
酢酸は、酢酸で、無水酢酸は酢酸分子を2分子で脱水したもので、構造自体が違います。氷酢酸は純度の高い酢酸です。
— ゼロくん (@zerokun2003) December 28, 2021
そしてサリチル酸に氷酢酸でなく
無水酢酸を反応させると
アセチルサリチル酸になります。
アセチルサリチル酸は商品名をアスピリンといいます。
風邪薬の成分になっていますね。
獣医領域でも重要なお薬の1つです。
ちなみにサリチル酸に無水酢酸ではなく
メタノールを反応させると
サリチル酸メチルになります。
商品名はサロメチールです。
サリチル酸メチルを作るとシップの匂いがしてきます。
湿布の消炎剤としていまだに利用されています。
以上で解説を終わります。