前回の記事では付加重合について例を挙げながら
かなり詳しく解説しました。
⇒付加重合とは?図を使ってわかりやすく解説
・付加重合
・縮合重合
・両者の混合型
があると以前の記事で解説しました。
⇒重合とは?わかりやすく解説
今回の記事では縮合重合とは何か?
例を挙げながらわかりやすく解説していきたいと思います。
Contents
縮合重合とは?例を挙げて解説
まずざっくり説明させていただきますね。
何かが取れてくっつく重合の仕方をするのが縮合重合(縮重合とも)です。
縮合重合とは低分子量の化合物がとれてくっつく反応を繰り返す、
つまり、縮合を繰り返すから縮合重合です。
上記図で左側の構造式はカルボキシ基を2つ持った化合物です。
右側の構造式はヒロドキシ基を2つ持った化合物です。
上記2つの化合物を縮合重合させるときについて解説します。
で、カルボキシ基とヒドロキシ基が結合するときは
水が抜けてエステル結合の形で結合します。
上記図のような感じです。
こんな感じで何かが(今回はOHとH)とれて、くっつくというのが縮合重合です。
逆に何もとれずにただつながるのが付加重合で
何かが抜け落ちてくっつくのが縮合重合です。
つまり、
・付加重合は何も取れずにただつながる重合
・縮合重合は何かが抜け落ちてくっつく重合
ということです。
縮合重合により、できあがる化合物は・・・
上記図のようになります。
この縮合重合体の構造式にも付加重合にあったような書く時のコツがあります。
⇒付加重合とは?図を使ってわかりやすく解説
縮合重合の構造式を書くコツ
縮合重合による高分子化合物の構造式の書き方のコツをお話しします。
まず上記構造式をご覧ください。
左側の化合物はテレフタル酸です。
テレフタル酸のテレには『離れる』という意味があります。
COOHというカルボキシ基2つが離れていることから名づけられています。
テレポートとかテレポーテーションという用語がありますね。
そのテレと同じです。
路線がもつれて駅から駅にテレポーテーションしたりして。 https://t.co/t4fVLAfMFR
— 須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 (@tebasakitoriri) October 12, 2021
それから図の右はエチレングリコールというヒドロキシ基が2個ある化合物です。
これら左右2つの化合物を縮合重合させていきましょう。
水が抜けてくっつきます。
エステル結合を何回も繰り返します。
テレフタル酸、エチレングリコールという順番で交互に繰り返し
ひたすらつながっていきます。
これが縮合重合です。
では構造式を書いていきましょう。
構造式を書くのにコツがあります。
テレフタル酸とエチレングリコールで1分子ずつ縮合させた構造式を書きます。
テレフタル酸1分子とエチレングリコール1分子がくっついたという形です。
すると上記図のようになりますね。
このあと、縮合の際に取れるものが外に出るようにかっこをつけます。
テレフタル酸はくっつくときにOHを失いましたね。
OHが外に出るようにかっこ(青色)を書きます。
また、エチレングリコールは水が抜けてくっつくときに水素原子Hを失います。
だから水素原子Hが外に出るようにかっこ(青色)をつけます。
最後に右下にnを書けば完成です(オレンジ色の部分)。
で、末端ですが、かっこの外に出ている構造は通常は消去しておきます。
消さなくてもOKです。
これで完成です。
この化合物の名前はポリエチレンテレフタラートといいます。
以上で縮合重合についての解説を終わります。