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化学

理想気体と実在気体の違いと近づける方法についてわかりやすく解説

理想気体 実在気体 違い

今回の記事では理想気体と実在気体の違いと近づける方法についてわかりやすく解説していきます。

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理想気体と実在気体の違いまとめ

「結論だけ早く知りたい!」という方、
あるいは結論が頭に入っていないと理解しにくい方に向けて
理想気体と実在気体の違いの結論を先に書いておきますね。

理想気体と実在気体の違いは

・理想気体・・・体積がゼロ、分子間力働かない、仮想的な気体、気体の状態方程式が成り立つ
・実在気体・・・体積がある、分子間力ある、実際に存在する気体、気体の状態方程式成り立たない

です。

理想気体の状態方程式は

PV=nRT
P=圧力
n=物質量(mol)
V=体積(L)
R=気体定数(0.082)
T=温度(K)

です。

では詳しい解説に入っていきましょう。

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理想気体と実在気体の違い

理想気体ってどこにあると思いますか?
結論としては、理想気体なんて存在しません。
だって理想気体とは理想的な気体のことだからです。

理想的な男性や理想的な女性みたいなものです。
あなたが思い描く像があっても、それは想像の人でしょう。
理想気体はそれと同じことです。

これに対して実在気体とか実際に存在する気体のことです。
塩素とか水素とか、あなたが今吸っている空気も実在気体の具体例になります。
でも理想気体なんて存在しません。
だから「これが理想気体ですよ」ってあなたにお見せすることができないのです。

では理想気体とはどんな気体なのでしょうか?
理想気体とは理想気体の状態方程式にぴったり合うもののことです。

理想気体の状態方程式は

PV=nRT
P=圧力
n=物質量(mol)
V=体積(L)
R=気体定数(0.082)
T=温度(K)

です。

そして理想気体の状態方程式にピッタリ合う気体など
この世の中に存在しません。
実際の気体(実在気体)は少しずれます。

とにかく理想気体は理想気体の状態方程式にピッタリ合います。
理想気体の状態方程式にピッタリ合うということは
理想気体にはないものが2つあるということです。

理想気体にないものとは

・分子間力
・分子自身の体積

この2つは理想気体には存在しません。

分子間力は弱いです。
弱いですが、0ではありません。
分子間力とは?わかりやすく解説
分子間力の種類

理想気体に分子間力がまったく働きません。

分子自身の体積ってものすごく小さいです。
たとえば酸素分子を肉眼で見ることができません。
0ではないということです。
酸素分子の体積は小さいですが0ではありません。

実在気体は

・分子間力が0ではない
・分子自身の体積も0ではない

です。

ですが理想気体の体積は完全に0とみなします
理想気体は分子間力がゼロ、体積がゼロであるがゆえに理想気体の状態方程式が成立するのです。

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実在気体を理想気体に近づける方法

あこがれ

ところで実在気体は理想気体になれません。
でも実在気体は理想気体にあこがれを持っていると思ってください。
その方が理解しやすくなりますから。

実在気体は理想気体になりたいとあこがれを持っています。
ではどうすれば実在気体は理想気体に近づくことができるのでしょう?

分子間力と分子自身の体積を限りなくゼロに近づける努力をすればよいわけです。
そうすれば実在気体は理想気体に近づくことができます。

ということは、『分子間力と分子自身の体積をゼロとみなす』環境を作ればよいわけです。

つまり、

実在気体を理想気体に近づけるために

・分子間力を0とみなす
・分子自身の体積を0とみなす

ということです。

具体的には

理想気体の状態方程式は

PV=nRT
P=圧力
n=物質量(mol)
V=気体の体積(L)
R=気体定数(0.082)
T=温度(K)

を変形します。

ここでV=気体の体積(L)ですが、、、
部屋なら部屋に存在する気体全体の体積のことです。
分子自身の体積ではありません。
分子自身の体積は気体の体積よりも圧倒的に小さいですよ。
誤解しないでくださいね。

ではどうしましょう?
V(気体の体積(L))を増やすということをします。

満員電車

たとえば満員電車。
満員電車での通勤、通学って疲れますよね。
どうして疲れると思います?

それは電車内に人がいすぎて狭すぎるからです。
気も遣いますし、窮屈ですしで疲れます。
ただ、あなた自身の存在(分子自身の体積)も周りを疲れさせる存在になっています。
だから狭い空間だとあなた自身の存在(分子自身の体積)を無視できなくなるわけですね。

逆に電車内に人が少なくて広いスペースがあれば疲れませんね。

電車内に人が少なくて広い(体積が大きい)と
自分自身(分子自身)の体積なんて無視できますよね。

したがって気体の体積Vを大きくすれば理想気体のように分子自身の体積をゼロに
近づけることができるわけですね。

また、分子間力は分子間の距離が近くなると強くなります。
分子間力とは?わかりやすく解説

だから気体の体積Vが大きくなれば
気体の分子は移動しやすくなり、お互い離れることができるため
分子間力は弱くなり、ゼロに近づいていきます。

よって、気体の体積Vが大きくなると分子間力が0に近づき
実在気体が理想気体に近づくことができる
わけですね。

ということで理想気体の状態方程式を変形しましょう。

V=$\frac{nRT}{P} $
となりますね。

体積Vを大きくしようと思ったら分子のT(温度)を大きくし
分母のP(圧力)を小さくすればいいですね。

実在気体を理想気体に近づけるには

・温度Tを大きくする
・圧力Pを小さくする

とよいです。

すると実在気体は理想気体にどんどん近づいていきます。

以上で解説を終わります。

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