・生成熱
・燃焼熱
について解説しました。
⇒生成熱の定義をわかりやすく解説
⇒燃焼熱とは?わかりやすく解説
今回の記事では溶解熱について解説します。
溶解熱とは?
溶解熱とは固体や気体の溶質1molが溶媒に溶ける時の反応熱のことです。
1molの溶質が溶媒に溶ける時の反応熱のことを溶解熱といいます。
ここで溶媒というのはたいてい『水』のことで
溶質を溶かしている液体のことです。
では溶質とはどういう意味でしょう?
溶質とは溶液中に溶けている物質のことです。
もし2つ物質があってどちらも液体なら、量が少ない方が溶質となります。
溶解熱は発熱することもあれば吸熱することもあります。
これは生成熱と似ていますね。
生成熱も吸熱反応・発熱反応どちらも起こりますからね。
⇒生成熱の定義をわかりやすく解説
でも燃焼熱とは違いますね。
燃焼熱に吸熱反応はありませんから。
⇒燃焼熱とは?わかりやすく解説
燃焼熱や生成熱と溶解熱の違いは、
溶解熱は『溶質1molが』というところです。
生成熱とは1molの化合物が『単体から』できるときの反応熱のことです。
燃焼熱とは1molの物質が完全燃焼するときに放出される熱量のことです。
溶解熱の場合、1モルの溶質なので、
溶質の係数は1と書かないといけません。
溶解熱の具体例
$NaCl $(固)(塩化ナトリウムの固体)の溶解熱は-4.2KJ/molです。
-4.2KJとマイナスがついているのは吸熱するという意味です。
それから/mol(マイモルと読む)というのは$NaCl $(固)1モルあたりという意味です。
塩化ナトリウムの固体が1モル水に溶ける時、
4.2KJ吸熱するということを表現したいので
さらに詳しく方程式を書きますね。
この場合、
$NaCl $(固)+$aq $=$Na^{+}aq $+$Cl^{-}aq $-4.2KJ
となります。
ここで+$aq $(アクアと読む)というのがありますね。
$aq $は十分量の水、多量の水という意味です。
水に溶けた時を表現するときに、+$H_2O $と書くのはダメです。
なぜなら+$H_2O $と書くと、
$NaCl $(固)と$H_2O $が反応したことになってしまうからです。
水に溶けたということを表現した場合には
多量の水ということを表す記号、+$aq $(アクア)を書くことになっています。
また、
$NaCl $(固)+$aq $=$Na^{+}aq $+$Cl^{-}aq $-4.2KJ
の中で、$Na^{+}aq $とありますが、水和された$Na^{+} $という意味です。
水に溶けた状態という意味です。
つまり、~$aq $というのは『水に溶けた状態』のことを表現しています。
だから、$NaCl $(固)+$aq $=$Na^{+}aq $+$Cl^{-}aq $-4.2KJ
という熱化学方程式は塩化ナトリウムの固体1molが多量に水に溶けた時に
4.2KJ吸熱ということを表現しています。
これは溶解熱の定義に合致していますね。
溶質とは溶液中に溶けている物質のことですから
多量の水に塩化ナトリウムが溶けているわけですから、
塩化ナトリウムは溶質です。
また、溶媒は水(ここでは$aq $)ですからね。
熱化学方程式の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒熱化学方程式の書き方(ルール)をわかりやすく解説