以前、発熱反応の身近な例をご紹介しました。
⇒発熱反応が発生する身近な例
すると、検索でいろんな方の目に止まるようになりました。
すごく嬉しいです。
おそらく発熱反応に興味がある方が多いのでしょう。
そこで、今回の記事ではそもそも発熱反応は
どうして起こるのか?
発熱反応で温度が上がる理由について解説していきたいと思います。
発熱反応と吸熱反応の違い
もしかしたら、あなたが疑問に感じている発熱反応は
吸熱反応かもしれません。
そうなると、この記事を読むだけ時間の無駄になってしまいます。
そこで先に確認しておいていただきたいのです。
・発熱反応
⇒化学反応により周囲の温度が上がる熱が出ていく反応
・吸熱反応
⇒化学反応により周囲の温度が下がる熱を吸収する反応
です。
大丈夫でしょうか?
誤解を恐れずにいうと、発熱反応により自分から熱が出ていく結果、
周りの温度が上がるわけです。
逆に吸熱反応だと周りから熱を奪い取って
周りの温度を下げているということです。
次に発熱反応で温度が上がる理由を考える上で重要な
化学エネルギーについて説明します。
発熱反応で温度が上がる理由|化学エネルギーとは?
発熱反応でなぜ温度が上がるのかを考える上で化学エネルギーの理解は必須です。
化学エネルギーとは化学反応によって生じるエネルギーを言います。
そもそもエネルギーというのは『仕事をする能力』のことです。
「仕事って働くこと?化学物質って働いてるの?」
と思った方がいるかもしれません。
でも、ここでいう仕事って労働のことではありません。
そもそも化学物質は人間でないので、
社長の言われた通りのことをするわけではないですから。
エネルギーにおける仕事というのは
車を動かしたり、熱を出したり光を発したり
「バチ」みたいな音を発したりすることを言います。
熱を出すみたいな仕事を物質がするためにエネルギーが必要なのです。
エネルギー=仕事をする能力
でしたね。
・位置エネルギー
・運動エネルギー
・熱エネルギー
・電気エネルギー
・光エネルギー
・化学エネルギーなど
などがあります。
そして化学エネルギーは化学結合によるエネルギーのことです。
ここでものすごく大事なことを言いますと、
結合が強ければ強いほどより多くの熱が出ます。
例えばガソリンと酸素が化学反応を起こすと
熱が出ますが、というかかなり危険なので実際にやらないでください。
ものすごい熱が出ます。
これは立派な化学エネルギーです。
ちなみに化学エネルギーが起きる前提としての化学反応というのは
最外殻電子が電気的な力で他の原子とくっついたり離れたりすることで起こります。
⇒最外殻電子とイオンの関係をわかりやすく解説
この時の反応の結果、熱エネルギーが発生します。
なので結合が強いほど
より多くの熱が発生するのです。
熱が結合したり離れたりする結果発生するのだから当然ですね。
この記事では分かりやすさを重視して解説しているので
多少の語弊があることはご容赦ください。
とにかく熱はエネルギーの一種であり、
化学エネルギーもエネルギーの一種なので
化学反応により熱が出るのは当然のことです。
発熱反応で温度が上がる理由
やっと本題です。
と言ってもここまでの話が前提になります。
だから出来るだけここまでの話は知っておいてほしいです。
さっきまでの話を前提に話しますね。
化学反応を起こす前と後でエネルギーがどうなったのか?が発熱反応が
起こるかどうかで重要です。
例えば反応前に100あったエネルギーが反応後に40になったとしましょう。
100−40=60はどこに行ったのでしょう?
この60のエネルギーが熱エネルギーです。
つまり反応後に熱が発生し周りが熱くなった、
つまり発熱反応が起こったわけです。
また、発熱反応が起こるのは一般的に化合です。
つまり、何かと何かが結合して新しい化合物ができるような反応で発熱反応が起こりやすいです。
例えば炭素Cが燃える反応を化学反応式で書いてみますと、
$C $+$O_2 $⇒$CO_2 $+熱
となります。
燃えるというのは酸素$O_2 $が加わる(化合)反応です。
火がついているときに、風を送るとさらに燃えますよね。
とにかく炭素と酸素により燃えて、周りが熱くなるので発熱反応だと言えます。
そして化学的にいうと炭素と酸素の反応の結果、化学エネルギーが低くなり、
反応前の化学エネルギーと反応後の化学エネルギーの差が発熱のエネルギーにかわっているわけですよ。
ちなみにですが、勘の良い方なら分かると思いますが、
反応後の化学エネルギーが低い状態が発熱反応なら
反応後の化学エネルギーが高い状態は吸熱反応となります。
化学反応により周りのエネルギーを奪った結果、
自分のエネルギーは高い状態になったわけです。
エネルギーを奪われた周囲は熱が下がる、冷たくなるから
吸熱反応です。
いっぱんに分解は吸熱反応です。
吸熱反応の具体例はこちら
⇒吸熱反応の身近な例
以上で解説を終わります。