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化学

半反応式の問題を解きながら作り方も覚えよう!

半反応式 問題

「半反応式の問題がまったく解けない!」
と思っている方は多いです。

しかも半反応式を理解せずに暗記するのはかなり大変です。

そこで今回の記事では半反応式の問題を一緒に解きながら
半反応式の作り方についてもあわせて解説していきたいと思います。

あと、そもそも半反応式って何?
と定義が分からない方は先にこちらの記事をご覧ください。
酸化剤と還元剤語呂を使った覚え方(半反応式についても解説)

半反応式の作り方が分かったら次は酸化還元反応式の作り方に進んでくださいね。
酸化還元反応式の作り方についてわかりやすく解説

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半反応式の作り方

問題が解けるようになるには
まずは半反応式の作り方を理解する必要があります。
野球の試合で勝つために、野球のルールを覚えることと同じです。
ルールを知らないのに戦えませんからね。

半反応式の作り方(1)反応前後の化学式をまず書け!

反応前後の化学式は暗記です。
語呂合わせで覚える方法を前回の記事で解説したので、
まだ覚えていない方は先にこちらをご覧ください。
酸化剤と還元剤語呂を使った覚え方

たとえば、こういうのです。

MnO4Mn2

上記式はまだ半反応式ではありません。
半反応式の前段階です。この式は暗記です。
ポケモンのキャラクターをいっぱい暗記できる人ってすごいと思います。
上記式を暗記するのはポケモンのキャラを覚えるより
数が少なくて簡単ですよ。

半反応式の作り方(2)酸素原子の数を左辺と右辺で揃える!

暗記した変化前後の化学式を書き出したら
次に酸素原子の数を左辺と右辺で揃えます。
両辺で酸素原子の数をそろえるわけです。

そのために、H2O(水)を加えます
酸素原子の数をそろえるためにH2Oという化学式を付け足すわけですね。

半反応式の作り方(3)左辺右辺の水素原子の数をそろえよう!

次に水素原子の数を左辺と右辺でそろえます。
水素原子の数をそろえるときに使う化学式はHです。
水素が入っていれば何でもいいわけではありません。
数をそろえるときに使う化学式は決まっているんです。

半反応式のルール

・酸素の数をあわせるときはH2O
・水素の数をあわせるときはH

でそろえます。

半反応式の作り方(4)左辺右辺のプラスマイナス(電荷)の数をそろえる

最終段階です。
両辺の電荷をそろえるために電荷の大きい側にeを加えます。
特に上記の『電荷の大きい側に』というところは重要ですよ。

それでは一緒に問題を解いていきましょう。

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半反応式の問題を一緒に解いていこう!

半反応式の問題(1)過マンガン酸イオン

問題

MnO4(過マンガン酸イオン)⇒Mn2(二価のマンガンイオン)
この反応を、電子を含むイオン式で表しなさい。

上記問題は過マンガン酸イオンが二価のマンガンイオンになっています。
これは変化前後の式で暗記しておいてほしい式です。
語呂合わせについてはこちらで解説しています。
酸化剤と還元剤語呂を使った覚え方

では解いていきましょう。
左辺と右辺で酸素の数をそろえましょう。

これは『半反応式の作り方(2)酸素原子の数を左辺と右辺で揃える!』で解説しましたね。
MnO4(過マンガン酸イオン)⇒Mn2(二価のマンガンイオン)
左側に酸素Oが4つありますね。
右側には1つもありませんね。
だから、右辺にH2O(水)を4つ足せばよいわけです。

MnO4Mn2H2O

これで酸素原子の数がそろいます。

次に『(3)左辺右辺の水素原子の数をそろえよう!』をやってみますね。

MnO4Mn2H2O

左側には現状、水素原子が1つもありません。
でも、右辺にはさっき水を足したので
8個の水素原子が存在しますね。

だから8個、水素イオンを左辺に足さないといけません。

よって

MnO48HMn2H2O

となります。
これで水素の数がそろいました。

最後に『(4)左辺右辺のプラスマイナス(電荷)の数をそろえる』
をやったら完成です。

MnO48HMn2H2O

MnO4(過マンガン酸イオン)はマイナス1という電荷を持っています。
一価の陰イオンです。
それに8Hだからプラス1が8個あるので+8という電荷になります。
Mn2はプラス2という電荷を持ちますね。

H2Oは電気的にはプラスマイナス0(中性)です。

左辺

MnO4・・・マイナス1
8H・・・プラス8

右辺

Mn2・・・プラス2
H2O・・・プラスマイナス0

左辺と右辺で上記電荷の和を釣り合わせます。

左辺はプラス7(プラス8とマイナス1=プラス7)で
右辺はプラス2(プラス2とプラスマイナス0=プラス2)
です。

ルールとしては電荷の大きい方にeを加えます
eは1個マイナス1という電荷を持ちます。
ではeを左辺に何個足せば電荷が釣り合いますか?

左辺はプラス7、右辺はプラス2だから、
左辺にeを5個足せば両辺で電荷が釣り合いますね。

なので、

MnO48H5eMn2H2O

となります。

こんな感じで電荷の大きい方に大きい分だけeを足して
電荷を両辺合わせます

これで完成です。

半反応式の問題(2)シュウ酸

問題

H2C2O4(シュウ酸)⇒2CO2(二酸化炭素)
この反応を、電子を含むイオン式で表しなさい。

酸素の数は左辺右辺共に4つですね。
左辺と右辺で酸素原子が同じ数だから、この場合はH2O(水)を
足さなくてOKです。

この場合は『半反応式の作り方(2)酸素原子の数を左辺と右辺で揃える!』
はパスです。

次に水素をそろえましょう。

H2C2O4(シュウ酸)⇒2CO2(二酸化炭素)

左辺に水素原子が2つ、右辺は水素原子が0。
だから、水素イオンを2個右辺に足しましょう。

H2C2O4(シュウ酸)⇒2CO2(二酸化炭素)+2H

となりました。

最後に電荷をそろえましょう。
『(4)左辺右辺のプラスマイナス(電荷)の数をそろえる』です。

H2C2O4(シュウ酸)⇒2CO2(二酸化炭素)+2H

左辺は今電気的には0です。
シュウ酸という分子には電荷はありません。
右辺は2CO2(二酸化炭素)は電気的には0です。
2Hはプラス2です。

なので左辺はプラスマイナス0で右辺はプラス2で
電気的に右辺の方がプラス2だけ大きいですね。

なので、大きい分だけ右辺に電子eを足しましょう。
今回は2個ですね。

H2C2O4(シュウ酸)⇒2CO2(二酸化炭素)+2H2e

となります。

大丈夫ですか?
電荷の和が大きい側に電子を足しますよ。

半反応式の問題(3)ニクロム酸イオン

問題

Cr2O72(二クロム酸イオン)⇒2Cr3
この反応を、電子を含むイオン式で表しなさい。

問題(1)や(2)で半反応式の作り方が分かってきたと思います。

左側のニクロム酸イオンは酸素原子が7個ありますね。
右側は1個もありません。
だから、7分子の水を右辺に足せばOKです。
そうすれば酸素原子の数が揃いますね。

Cr2O72(二クロム酸イオン)⇒2Cr37H2O

次に水素の数をそろえましょう。
14個、右辺に水素があります。

だから、14Hを左辺に足しましょう。

Cr2O7214H2Cr37H2O

となり水素原子の数が揃いますね。

次に電荷をそろえましょう。
『(4)左辺右辺のプラスマイナス(電荷)の数をそろえる』です。

Cr2O7214H2Cr37H2O

左辺を見ていきましょう。
Cr2O72の電荷はマイナス2、
14Hの電荷はプラス14ですね。

右辺は2Cr3がプラス3が2個でプラス6
7H2Oは電気的には0です。

左辺は、マイナス2とプラス14なのでプラス12
右辺はプラス6
だから左辺の方がプラス6だけ大きいですね。
大きい側に大きい分だけeを足しましょう。

左辺をマイナス6すればいいわけです。e1個はマイナス1なので、
eを6個、左辺に加えればOKです。

Cr2O7214H6e2Cr37H2O

となります。

これで半反応式が完成しました。

こんな風にして変化前後の式だけ覚えておけば、
あとは作業として水や水素イオンや電子を付け足して半反応式を完成させることができます。

半反応式の問題(4)オゾン

問題

O3(オゾン)⇒O2
この反応を、電子を含むイオン式で表しなさい。

答えは

O3(オゾン)+2H2eO2H2O

です。

ここまでの内容が理解できれば、
もう半反応式は怖くないはずです。

半反応式の作り方が分かったら次は酸化還元反応式の作り方に進んでくださいね。
酸化還元反応式の作り方についてわかりやすく解説

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