今回の記事では分子結晶について例を挙げながらわかりやすく解説していきます。
分子結晶の具体例
分子の間の弱い力で結晶を形作っているのが分子結晶になります。
・ドライアイス
・ヨウ素
・ナフタレン
・氷
などがあります。
分子結晶→ヨウ素、ドライアイス、ナフタレン
共有結合結晶→ダイヤモンド、黒鉛、ケイ素、二酸化ケイ素— サンタ (@Santa_3ta) June 30, 2022
ヨウ素やナフタレンって
馴染みがないかもしれませんね。
たとえばナフタレンですが、
昔は洋服ダンスの中に入れて防虫剤として利用されたりしていました。
ナフタレンの香り好き。
おばあちゃん家の洋服ダンス。大好き。クローゼットを片付けたので思う存分ナフタレン漬け。
寝てるときもめちゃくちゃ香る。好きー。— 本田 ねぎ (@NEOONEETYAN) March 5, 2021
道行く人からナフタレンの香りを感じたら、
洋服ダンスにしまっていた秋の服を出したのかな?
そろそろ秋だなみたいな気持ちになります。
すれ違う人からナフタレンの匂いがして秋を感じた
— 寒露🌓🇹🇭 รักคุณเข้าแล้ว (@recanro) September 23, 2022
ただ最近は防虫剤として香りがしない「ムシューダ」があるので
そういう季節を感じるきっかけって少なくなりましたが。
⇒エステー ムシューダ 1年間有効 引き出し・衣装ケース用 32個
ただムシューダも分子結晶の仲間です。
ちなみに防虫剤は固体なのに
いつの間にか気体になって服に穴をあけてしまう虫を
やっつけるわけです。
何が言いたいか?というと分子結晶の具体例であるナフタレンは固体から直接気体になるわけですね。
ドライアイスもそうです。
二酸化炭素の固体が直接気体になります。
こんな感じで固体から直接気体になることを『昇華(しょうか)』といいます。
ドライアイスやヨウ素やナフタレンというのは
固体から直接気体に変化しますから昇華性があるといいます。
ちなみに分子結晶の具体例である氷は
通常の条件下では氷が水になり、水蒸気になります。
以下、分子結晶ってどういうもののことなのか?
分かりやすく解説していきますね。
分子結晶の構成要素になる分子とは?
分子結晶という用語を分解すると
『分子』+『結晶』になりますね。
定義がわからないと、そもそも分子結晶の例を示しても
理解できないと思います。
分子とは『非金属同士』からできている小さい塊のことです。
別の記事で解説していますが、金属と非金属の結合をイオン結合、
非金属同士の結合のことを共有結合というのでしたね。
頭がこんがらがるといけないので、
この記事では分子にフォーカスしますね。
分子とは『非金属同士』からできている小さい塊のことです。
・$H_2 $(水素)
・$Ne $(ネオン)
などがあります。
それから分子には単原子分子(たんげんしぶんし)とか二原子分子(にげんしぶんし)、
三原子分子(さんげんしぶんし)などがあります。
たとえばNeは1つの原子で分子のように振舞うので単原子分子といいます。
$H_2 $(水素)は2つくっついているので二原子分子といいます。
あと3つくっついてできているなら三原子分子といいます。
たとえば$H_2O $は水素2個と酸素1個の合計3つからできているので三原子分子です。
なので、$CO_2 $(二酸化炭素)も非金属同士の結合であり
しかも炭素1つ酸素2つの合計3つからできているので三原子分子となります。
勘の言い方ならわかると思いますが、
4つくっついたら四原子分子となります。
$NH_3 $(アンモニア)は窒素N1個と水素H3個の合計4つでできているので
四原子分子の具体例になります。
ところでNe(ネオン)は単原子分子とちょっと珍しいです。
普通、分子というといくつか原子がくっついてできています。
でも、Neは一匹狼みたいに1つで分子になっているわけです。
Ne(ネオン)は希ガス元素の仲間です。

希ガス元素は単原子分子として存在するという特徴があります。
希ガスは一匹狼です。
他のものとはくっつかないで一人ぼっちでフラフラして存在しています。
希ガスは周期表の一番右の縦の列に出てくるもののことです。
たとえばHe(ヘリウム)。
吸うと声がおかしくなるというヘリウムガスがありますね。
これも単原子分子です。
分子結晶を理解する大前提となる分子の構造式とは?
分子の構造式について説明しますね。
たとえば酸素。
上記図は酸素の電子式です。
ただ、上記図のように電子を塗りつぶしのはすごく面倒くさいです。
1個くらいならできるかもしれませんが、
こんなのを100個くらい書くとなったら相当面倒くさいですよね。
そこで上記図の水色の点で表した部分を線で表します。
こういうのを構造式といいます。
酸素の構造式はO=Oとなります。
酸素は二重線で結合します。
これを二重結合といいます。
もし三本線なら三重結合、1本線なら単結合といいます。
同様に水素の構造式はH-H
と1本の線で表しますから単結合です。
分子結晶の構成要素になる結晶とは?
以前の記事で金属結晶、イオン結晶という結晶について解説しています。
ここに本文を入力
また、この記事では分子について解説しました。
ところで
・結晶
・無定形固体(むていけいこたい)
の2つに分離して考えることができます。
イオンや原子、分子が規則正しく配列されているものを結晶といいます。
これで分子とは何か、結晶とは何か?わかっていただけたと思います。
結晶は固体の一種できれいに配列されてできているもののことですね。
ここまでわかったら分子結晶とは何か?
わかると思います。
分子結晶とは分子がくっついてできた結晶のことです。
化学的に説明すると、分子が分子間力で集まったものを分子結晶といいます。
ところで分子結晶というのは分子の間にある力で結びついてできています。
だからそんなに強くありません。
直接くっついているわけではなく
分子の間に働く引力によってくっついているだからです。
だから分子結晶は柔らかいですし融点も低いです。
これはイオン結晶(イオン結合)とはまったく違いますね。
記事冒頭で示した分子結晶の具体例をみて
いまいち理解できなかった方、
ここまで読んだら、また上の方に戻っていただけると理解が進むかもしれません。
以上で解説を終わります。