化学

付加重合と縮合重合の覚えるべきポイントをわかりやすく解説

付加重合 縮合重合

今回の記事では付加重合と縮合重合の覚えるべきポイントについて
わかりやすく解説していきます。

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付加重合や縮合重合はどこに分類されている?

付加重合や縮合重合は高分子化合物と関係しています。
原料となる化合物がいっぱいつながっていって
分子量が1万を超えると高分子化合物という分類になります。

ただ、1万という数字は高分子化合物の正確な定義ではありません。
だから分子量がめちゃくちゃ大きい化合物のことを高分子化合物と呼ぶこともあるので注意が必要です。

この記事では分子量が1万を超えたら高分子化合物として解説していきますね。

高分子化合物には

・合成高分子化合物
・天然高分子化合物

があります。

『合成』高分子化合物は人間が人工的にたくさんの原料をつなげてできた
分子量1万を超える大きな構造体です。

逆に『天然』高分子化合物は自然界でそのものが
すでにつながった形で存在します。

ではどのようなつながり方があるのでしょう?
2種類の重合の仕方(結合の仕方)を理解しましょう。
重合様式という言い方をします。

重合様式

どのように構造単位である分子がつながっていくか?
2つのつながり方があります。

重合様式として

・縮合重合
・付加重合

があります。

付加重合と縮合重合の重要なポイントについて
解説していきます。

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付加重合の覚えるべきポイント

付加重合というのは付加反応を繰り返してできた重合のことです。
では付加反応とはどんな反応でしょう?
付加反応というのは二重結合とか三重結合を持つ化合物が示す反応のことです。

付加反応や付加重合の詳細はこちらで解説しています

付加重合とは?図を使ってわかりやすく解説

この記事は付加重合についてわかりやすく説明したいという趣旨で書いています。
なので二重結合を持った化合物で付加重合のさせ方について説明したいと思います。

まず、炭素原子に結合しているその他の原子、構造体は無視して
裸の炭素だけで二重結合を持った構造を書きますね。

付加重合とは

すると上記のような構造になります。

弱い結合
付加重合というのは上記二重結合のうち弱い方の結合が切れます。

弱い結合が切れて外に結合の手が飛び出す
弱い結合
そして外に結合の手が飛び出てきます。
もちろん付加反応そのものも同じように起こります。
なぜなら付加重合というのは付加反応をを繰り返してできたつながり方のことだから
結合の仕方は付加重合と付加反応は同じだからです。

では付加重合と付加反応の違いはどこにあるのでしょう?
もし他の分子がくっついてきた場合を挙げることができます。
この場合はただの付加反応であって付加重合にはなりません。

付加重合というのは二重結合の弱い方の結合が切れて
外に結合の手が飛び出ます。
そして隣の分子と連結していくのが付加重合です。

隣の分子と手をつないでいくのが付加重合です。

単結合となる

結果、炭素間は単結合になります。
上記画像で赤線で書いているところは新しくできた単結合です。
炭素原子間の結合が1本切れて単結合になって隣の分子と連結するわけです。

これが何千という連結になるのが付加重合という高分子化合物になります。
弱い結合
とにかく弱いほうの結合が切れて外に手が出て横に長く連結していくというのが付加重合です。

ジエンとは?

今から解説する内容も付加重合なのですが、
もう1パターンご紹介します。

どんなパターンか?というと、二重結合を1分子内に2つ持ったような構造です。

ジエン

二重結合を1分子内に2個持った化合物のことを『ジエン』といいます。
ジエンの『ジ』は『2』という意味です。
『エン』は『炭素間の二重結合』のことです。

ジエン構造を持つ化合物も付加重合ができます。

二重結合となる

まず両サイドについている二重結合のうち
それぞれ弱いほうの結合が切れます。
結合が切れると結合の手が外に飛び出ます。

そして隣の分子とつながります。

こんな感じで両サイドの二重結合のうち1本の結合が切れて
外に手が出ます。
そして隣の分子とつながっていきます。

二重結合となる
このとき、上記画像の緑色の線に注目してください。
もともと単結合でした。
でも、片方から電子がやってきてもう片方から電子がやってくる結果、
結合ができるため、二重結合に変わります。
両サイドは単結合になりますが、真ん中の緑部分は二重結合になるわけですね。

ジエンが反応した結果

結果できる構造は上記画像になります。
赤線は新しくできた結合です。
こんな感じでジエン構造を持った付加重合もあります。

二重結合が1分子内に2個持つと
両サイドに手が出るから隣の分子と結合できるわけですが、
真ん中の炭素間は二重結合に変わるという面白い反応をします。

付加重合の構造式の書き方ポイント

ところで付加重合体の構造式の書き方にはコツがあります。
付加重合体は長くつながっていきますが、
実際には炭素って何千個も集まっているわけです。
ずっと書き続けるわけにはいきませんよね。

そんなことやったら手が腱鞘炎を起こしてしまいますよ。
司法試験に合格する方はいっぱい答案を書き続けて腱鞘炎を起こしてしまう方もいるようですが。

でも普段、化学の構造式を書くだけの話なのに
腱鞘炎を起こしてまでまともに付加重合の構造式を書くのは意味がありません。
そこまでして正確に構造式を書かなくても
化学の勉強をしている人であれば、ルールさえしっかりしていれば
理解できる付加重合の構造式を書くことができるからです。

ジエンが反応した結果

そこで付加重合体の構造式というのは
「こういう形を繰り返してできてますよ」
ということを表現して構造式にします。

たとえば上記ジエンの構造なら
もともと炭素Cが4つの構造体が原料になっているわけですから
上記画像のように4つずつの繰り返しの構造ってなりますね。
なので繰り返し構造が何度も集まって高分子化合物ができているという表現をとります。

ではどのようにして構造式を書けばよいのでしょう?
例を使って解説しますね。

繰り返しになってる

簡単な分子を使って考えてみましょう。
ここではエチレンを使って解説します。
炭素数が2のアルケンであるエチレンです。

ポリエチレン

このエチレンという化合物を付加重合させてみましょう。
どうなるでしょう?
まず弱いほうの結合を切ります。
外に結合の手が出て隣とつながるわけです。

そして長くつながっていきます。

そしてエチレンの二重結合のうち一本の炭素間の結合が切れるので
$CH_2 $と$CH_2 $の間は単結合になります。
そして両サイドに手が出ます。
この状態を表現して上記画像の矢印の先のように
両サイドの『ー』を突き破る感覚で()で区切り右端に『n』を書けば
付加重合体の構造になります。
ちなみに完成した付加重合体の名前はポリエチレンです。
ポリというのは『たくさん』とか『多数の』という意味があります。
付加重合体の名前というのは原料となる化合物の頭にポリをつければOKです。

付加重合は全部このパターンで書けます。
エチレンだけじゃありませんよ。
なのでここで付加重合の構造式の書き方はここでマスターしていきましょう!

付加重合にはここまで示してきたように構造式の書き方のコツがあります。
このコツだけ覚えておくと
どんなものでも書き方は同じですからね。

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縮合重合の覚えるべきポイント

重合様式には付加重合以外に縮合重合があります。
縮合重合という重合はどういうものなのでしょうか?
何かが取れてくっつく重合の仕方をするのが縮合重合です。

縮合重合とは低分子量の化合物が抜けてくっつく反応を繰り返す、
つまり、縮合を繰り返すから縮合重合です。

さらに詳しい解説はこちらでしています。
縮合重合とは?例を挙げながらわかりやすく解説

たとえば以下のような構造式があったとしましょう。

縮合重合とは 例

Yという化合物はヒドロキシ基を2つ持った2価のアルコールで
Xという化合物はカルボキシ基を2つ持ったジカルボン酸という構造だとしましょう。

縮合重合なので、縮合させましょう。
水が抜けてくっつく

縮合というのは何かが取れてくっつくことです。
ヒドロキシ基とカルボキシ基の間で抜けるものといったら水ですよね。
水が抜けてくっつきます。
これが繰り返されます。

それが縮合重合です。
ではどんなものができるのでしょう?

縮合重合

上記のようになります。
これが縮合重合です。

何かがとれてくっつくような反応を繰り返していくことで
長くつながるものを縮合重合といいます。
この縮合重合体にも付加重合体と同じで構造式の書き方にはコツがあります。

コツが分かれば
原料の構造式さえわかれば
あとは高分子の構造式は簡単に書くことができるようになります。

縮合重合|構造式の書き方のコツ

付加重合と比べて縮合重合の構造式を書けない人はすごく多いです。
ここでしっかりとコツを書きますので
しっかりと理解しましょう。

エチレングリコール
エチレングリコールという2価アルコールと
テレフタル酸の2つの化合物を縮合重合させていきましょう。

まず縮合重合体の構造式を書く時には
エチレングリコール1分子とテレフタル酸1分子ずつ
縮合させた構造を書きましょう

縮合重合

すると上記画像のようになります。
普通のエステルができますね。

ポリエチレンテレフタラート

次に縮合の際に取れるものが外に出るように()をつけます
エチレングリコールはH原子を
テレフタル酸はOHを縮合の際に失います。
そして()の外に出ている構造は消去しましょう

なので上記のようになり完成です。
今回できたのはポリエチレンテレフタラートです。
略号はPET(ペット)です。

PETは飲料用のボトルとか服の繊維としても利用されています。
ポリエステルと呼ばれるものが該当します。
エステル結合を繰り返してつながっているのでポリエステルといいます。

ペットボトルってつぶしても
元にも同労としますよね。

形が維持されようとする性質を持っています。
服の繊維としてポリエステルを使うと形状記憶、形態安定という性質を
持たせることができます。
シワになりにくいとか。

そんな性質を持った繊維がポリエステルです。

縮合重合構造式の書き方

(1)1分子ずつ縮合させた構造式を書く
(2)縮合のときに取れるものが外に出るように()して右端にnをつける
(3)()の外である末端を消します
(4)完成

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縮合重合と付加重合のポイントまとめ

大丈夫でしょうか?
付加重合と縮合重合という2つの有名な重合があるので
どんなものなのか?どんなふうに高分子化合物の構造を書けばよいのか?
理解しておきましょう。

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