前回の記事では付加重合による重合体の例をご紹介しました。
⇒付加重合による重合体の具体例をわかりやすくご紹介します
・付加重合
・縮合重合
があります。
今回は残りの縮合重合について。
縮合重合の理屈はこちらで解説しています。
⇒縮合重合とは?例を挙げながらわかりやすく解説
縮合重合の具体例にPET(ペット)がありますが、
これは犬猫のPETのことではありません。
以下、詳しく解説していきます。
Contents
縮合重合のPETについて
縮合重合による重合体で有名なものとしてポリエステルがあります。
エステル結合を繰り返してできるからポリエステルと呼ばれます。
ポリエステルで有名なのはテレフタル酸とエチレングリコールを縮合重合させることで
生成する高分子化合物がポリエチレンテレフタレートとなり、PETと略することもあります。
ポリのP、エチレンのE、テレフタラートのTが組み合わさってPET(ペット)となります。
で、PET(ペット)という名前からわかるように犬猫でなく
ペットボトルを構成している高分子です。
ペットボトルはポリエチレンテレフタレート(PET)でできているからペットボトルです。
猫や犬のペット(PET)[ではありませんからね。
高分子の名前の頭文字3文字をとってPETです。
あとは意外かもしれませんが、服にも使われています。
ポリエステルと書かれている衣類って
たくさんありますが、あなたが着ている服のラベルを見てください。
もし、ポリエステルと書いてあったら、ポリエチレンテレフタレート(PET)か
ポリエチレンテレフタレート(PET)に相当するものを糸状に加工して
使われています。
ポリエチレンテレフタレート(PET)という高分子化合物を正常に加工して
服を作るとどういうメリットがあるのでしょう?
シワになりにくくなるメリットがあります。
たとえばペットボトルってペコっとへっこませても
手を放しても元に戻りますね。
ポリエチレンテレフタレート(PET)には形を維持しようとする性質があります。
これを形状記憶といいます。
つまり、ポリエチレンテレフタレート(PET)でできた服は
型崩れしにくい服ができあがるわけですね。
ポリエチレンテレフタレート(PET)を使うというのは
形状記憶、型崩れしにくい、シワになりにくいから
よく使われるわけです。
その他の縮合重合による重合体
PET以外にも縮合重合による重合体として
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からできる6,6-ナイロン(ナイロン66)があります。
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の2つの化合物を縮合重合させます。
そのために、ヘキサメチレンジアミンの両サイドのHとアジピン酸の両サイドのOHが結合して
水となり抜けていくことで、縮合重合し、結果、6,6-ナイロンという重合体ができます。
今回はアミド結合という結合でつながるからポリアミドといいます。
6,6ナイロンは世界で初めて作られた合成繊維です。
作った人はカロザースさんというアメリカ人です。
6,6ナイロンは動物のタンパク質の構造に似せて作った高分子化合物です。
今回は縮合重合の例としてのPETについて解説しました。