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化学

化学反応式における係数合わせの方法をわかりやすく解説

化学反応式 係数合わせ

ヤフー知恵袋を見ていたら
以下のような質問をみかけました。

以下知恵袋より引用

化学反応式で係数だけ分からない時ってどうすれば分かりますか?

そこで今回の記事では化学反応式における係数合わせの方法について
わかりやすく解説していきたいと思います。

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化学反応式における係数合わせの方法

モデルを使った化学反応式の係数合わせをしてみよう

あなたが中学生だったころを思い出してください。
今、中学生なら今のことを思い浮かべてくださいね。

好きな人ができたけど、
告白できなかったこととかでもOKですよ。

次に理科の授業のことを思い出してください。
特に中学3年生の化学分野を思い出してみてください。

特に係数合わせのところ、
難しくなかったですか?

化学反応式の係数合わせって本当に難しいですよね。
なので、まずは簡単な図を使って化学反応式について
一緒に考えていきましょう。

化学反応式

●●

上の図の一番左側をご覧ください。
桃色の原子と水色の原子が結びついた化合物があります。
となっているところですよ
これに水色の原子が2つくっついた水色の分子(●●)と反応して
桃色水色の化合物()が出来上がったとしましょう。
桃色1つに水色2つがくっついています(図の一番右側)。

化学反応というのは原子のくっつき方が変わるだけです。
なので、桃色1つに水色が2個くっついて桃色水色水色の化合物ができたわけです。

化学反応式

●●

で、中学校くらいでモデルを使った化学反応式ということで
中間期末テストで上記図を書いたとしたら正解になるのでしょうか?

結論はバツになります。
間違いってことです。

個人的にはどうしてモデルを使った化学反応式を
書かせるんだろうと思ってしまいますけどね。
そんなことするからさらに「化学反応式って難しいから嫌だ」
って化学アレルギー患者を増やしてしまうことにつながるんだと思います。

化学反応式

●●

矢印の左と右で桃色の数が揃っているけど、
水色の数は揃っていませんね。
桃色の数は矢印の左側で1個、右側で1個ですけど
水色は矢印の左側で合計3個、右側で2個ですからね。

化学反応というのは原子の組み換えというのですが、
原子のくっつき方が変わるだけで
左の原子の数と右の原子の数が変わってしまっては
いけないのです。

なので矢印の左と右で数をそろえていきましょう。

左と右を見ながら
水色は左側は3つあるけど右側は2つしかありません。

そこで右側の桃色水色水色の化合物をもう1個書きましょう、

化学反応式

●●

上の図の右側のようになりますね
すると右側の水色が4個、左側は3個なので
右側の水色が1個増えすぎてしまいましたね。

また桃色も右側は2個ですけど、
左側は1個しかありません。

そこで水色1個と桃色1個を補充するために
矢印の左側でも、さらに左側の水色と桃色が1個ずつくっついたものを
もう1個増やしましょう。

化学反応式

●●

すると上のようになって矢印の左と右で
桃色と水色の数が揃いましたね。
左側は水色が4個、桃色が2個、
右側も水色が4個、桃色が2個になっていますからね。

これでようやく化学反応式がモデルで完成です。

たまたま桃色の原子が炭素原子だったとしましょう。
水色の原子が酸素原子だとしましょう。

すると、水色桃色がくっついた化合物は$CO $(一酸化炭素)になりますね。
それから水色は酸素原子と定義したので、
酸素原子が2つくっついたら$O_2 $(酸素分子)になります。
それから矢印の右側、
桃色1つと水色が2つくっついた$CO_2 $(二酸化炭素)ができます。

ということで一酸化炭素が2個、酸素分子が1個から
二酸化炭素が2個できあがりました。
このことを化学反応式の係数で表しましょう。

化学反応式

●●
というのは
$2CO $+$1O_2 $⇒$2CO_2 $

$CO $2個と$O_2 $1個が反応して$CO_2 $が2個できたということを
上の図のように係数で表すことができました。

ここまで解説してきたように
数合わせした成果を化学反応式の係数として表現することができます。

つまり化学反応式の係数というのは
個数の関係を表しているわけですね。

また、この係数はモルで表しても同じです。
1円玉1枚の重さは何グラム?mol(モル)の考え方がわかればスッキリと理解できるよ!
1モルから得られる3つの情報とは?わかりやすく解説

$CO $2個と$O_2 $1個が反応して$CO_2 $が2個できたときに
個をモル(mol)に変えるだけで、

$CO $2molと$O_2 $1molが反応して$CO_2 $が2molできた

と表現することができます。

化学反応式の係数は個数の関係を表すと同時に
モル(mol)の関係も表しているということです。

化学反応式

●●
というのは
$2CO $+$1O_2 $⇒$2CO_2 $

そしてあとは化学反応式の係数を追えるようにしておきましょう。
$CO $2molと$O_2 $1molが反応するということは
$CO $が2molに対して$O_2 $は1molでOKということだから
$O_2 $は$CO $の半分でOKということです。

そして$CO $2モルから$CO_2 $が2モルできるわけなので
$CO $が1あれば$CO_2 $も1できるってことになります。

こんな感じで化学反応式の係数を読めるようにしておきましょう。

化学反応式の係数合わせ例題(1)イオン反応式

以下知恵袋より引用

化学の問題です
Al+H+→Al3+ + H2

これに係数を付けろという問題ですが

付け方がわかりません。

他の係数問題はできるのですが・・・

説明してもらえませんか?

係数合わせ例題(1)

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$H_2 $

イオンが化学反応式に入っているものをイオン反応式といいます。
イオンが入り込んでも左辺と右辺の電荷は
必ず等しくなります。
今のところ、左辺の電荷は+1で右辺の電荷は+3ですね。

ではどうやって係数を合わせていけばよいのでしょうか?

ステップ(1)とりあえず一番左の係数を1と置く!

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$H_2 $

シンプルに考えましょう。
左側にはアルミニウムが1個しかありませんよね。
とにかく矢印を中心にみて左右の合計が同じでないといけません。
だから左側にアルミニウムが1個あるなら、
右側だってアルミニウムが1個なわけです。
プラスの電荷とかマイナスの電荷の数は二の次です。

ということは右辺のアルミニウムも1個だから

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$H_2 $

となります。

こんな感じで適当に一番左側の係数を『1』と置けば
自動的に他の数字も決まってきますよね。

ステップ(2)電荷(プラスとかマイナス)を1つ合わせてみる

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$H_2 $

次に右辺のアルミニウムイオンの電荷に着目してみましょう。
『3+』になってますよね。
というか、右辺全体の電荷(プラスとかマイナスのやつ)は『+3』ですよね。

左辺の水素イオンは『+1}となってます。
左辺全体で見ても『+1}です。
ということは左辺の水素イオンを3倍すれば
左辺と右辺の電荷の合計はどちらも『⁺3』になりますよね。

よって、

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$H_2 $

と左辺の水素イオンを3倍しましょう。

すると水素Hは左辺が3つになります。
ということじゃ右辺の水素も3つないといけませんよね。
でも右辺の水素は$H_2 $ということで2個あります。
この2個ある右辺の水素を3個にするにはどうすればよいでしょう?
$\frac{3}{2} $倍すればいいですよね。

$\frac{3}{2} $×2=3ですからね。

なので

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$\frac{3}{2} $$H_2 $

これで左辺と右辺の係数は揃いました。
ただ、化学反応式やイオン反応式は係数を整数で表します。

ここまで数合わせするために『1』とおいて
やってきました。
でも、最後は係数を整数にするために全体を全部
分母倍($\frac{3}{2} $の分母は2なので2倍)していけばよいです。

ステップ(3)係数を整数になるようにする

$Al $+$H^{+} $⇒$Al^{3+} $+$\frac{3}{2} $$H_2 $

上記式全体を分母倍、つまり2倍すればよいので、

2$Al $+6$H^{+} $⇒2$Al^{3+} $+3$H_2 $

となります。

化学反応式の係数合わせ例題(2)

次は以下のような質問をヤフー知恵袋で見かけたので
当ブログでわかりやすく解説したいと思います。

以下知恵袋より引用

エタノールC2H6Oが完全燃焼する時に生成される二酸化炭素CO2、水H2Oの物質量はそれぞれ何molか教えてください

反応式を書いて係数をジロジロと見ましょう。

C₂H₆O+3O₂→2CO₂+3H₂O

メタノールC₂H₆O1moからCO₂2molとH₂O3molが生成されるのが分かります。

係数合わせ例題(2)

$C_2H_6O $+$O_2 $⇒$CO_2 $+$H_2O $

何モルか知りたいというのは
先ほど解説した通り、化学反応式の係数合わせの問題と同じ意味になります。
係数=モル数でOKということです。

例題2は$O_2 $と反応して
$CO_2 $と$H_2O $に変わっていってますよね。
こういうのを『完全燃焼』といいます。

化学において完全に燃焼するというのは
燃やそうと思っている物質の中に
Cが含まれていたらCが$CO_2 $に変わらないといけません。
燃やそうと思っている物質の中にHが含まれていたら
Hは$H_2O $に変わらないといけません。
そうでないと完全燃焼といえないのです。

完全燃焼の反応式の書き方としては
まず燃やそうと思っている物質の係数を1とします。
これは先ほどのイオン反応式の係数合わせと同じですね。

ステップ1:燃やそうと思っている物質の係数を1とする

$C_2H_6O $+$O_2 $⇒$CO_2 $+$H_2O $

そしてステップ2でCやHの数をそろえていって
最後にステップ3で$O_2 $で係数の帳尻を合わせます。

具体的にやってみましょう。

$C_2H_6O $+$O_2 $⇒$CO_2 $+$H_2O $

$C_2H_6O $はCが2個あるので
右辺の$CO_2 $のCも2個ないといけないから
$CO_2 $の係数を2としましょう。

すると

1$C_2H_6O $+$O_2 $⇒$CO_2 $+$H_2O $

となりますね。

次に$C_2H_6O $のHは6個あるから
右辺の$H_2O $は水素が2個あるので3倍すればよいですね。
よって、

1$C_2H_6O $+$O_2 $⇒2$CO_2 $+$H_2O $

となります。

次にOに着目
左辺は$C_2H_6O $の1個と+$O_2 $の2個で合計3個ありますね。
右辺は2$CO_2 $のOは4個、
3$H_2O $のOは3個ありますから合計7個あります。

ということは左辺でOが4個足りません。
だからいじってない$O_2 $を3倍すれば帳尻が合いますね。

よって

$C_2H_6O $+3$O_2 $⇒2$CO_2 $+3$H_2O $

となり、
エタノールC2H6Oが完全燃焼する時に生成される二酸化炭素CO2、水H2Oの物質量はそれぞれ何molか
といったら、二酸化炭素は2モル、水は3モル
が答えになります。

この問題では係数に分数が出なかったので
簡単に答えが出ましたけど、
もし係数に分数が出たら、全体を分数の分母倍して整数にすれば
答えになりますよ。

以上で化学反応式の係数合わせの解き方についての解説を終わります。

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