ここまでの記事で共有結合と共有結合の一種である配位結合について解説しました。
⇒共有結合とは?簡単に例を挙げながら解説します
⇒配位結合とは?例を挙げながらわかりやすく解説
この共有結合という結合を繰り返して原子がいっぱいつながっていくと
最後には固体ができます。
無数の原子が集合して巨大な構造体である結晶ができ、
この結晶のことを共有結合結晶といいます。
この記事では共有結合を繰り返してできる共有結合結晶とは何か
わかりやすく解説していきたいと思います。
Contents
共有結合結晶とは?
共有結合結晶とは原子が共有結合を繰り返してできた固体のことです。
たとえば炭素原子同士が共有結合を繰り返したとしましょう。
上記図のように「・・・」となっている意味は
「ずっと続きますよ」ということです。
どうしても黒板上や紙面上で書ききれる炭素の数には限界があるため
便宜上「・・・」を使います。
とにかく上記図のように共有結合を繰り返してたくさん集まると
結果としてダイヤモンドなどの固体ができるわけですね。
他にもSi(ケイ素)とO(酸素)の共有結合を
繰り返して出来上がる固体が二酸化ケイ素です。
二酸化ケイ素は水晶や石英という別名を持つ固体です。
こういうのを共有結合結晶といいます。
共有結合を繰り返してできた巨大な固体ということです。
共有結合結晶の特徴
この共有結合結晶ですが、
いったいどんな特徴があるのでしょうか?
1つ目の特徴として非常に硬いという点を挙げることができます。
硬さというのは結合の強さに比例します。
共有結合というのは最強の結合です。
イオン結合よりも結合力は強いです。
ちなみにイオン結合も硬いという特徴がありましたが、
非常にもろいという弱点もあるのでしたね。
⇒イオン結合とは?簡単にわかりやすく解説
とにかく共有結合は最強の結合だから、
こn最強の共有結合を繰り返してできる固体はものすごく硬いです。
硬いときいてあなたはハンマーなどで「バンバン」叩いて
壊れるかどうかで硬さを判断していると思っているかもしれません。
たとえば炭素Cの共有結合の繰り返しでできるダイヤモンドは
一番硬い物質として知られています。
硬度10といったりします。
ダイヤモンドをハンマーでバンバン叩いたらどうなるでしょう?
ダイヤモンドとハンマーだったらどっちが割れるでしょう?
ハンマーが割れますか?
結論としてはハンマーは割れません。
ダイヤモンドは粉々に砕け散ります。
何が言いたいか?というと、
硬さというのは叩いた時にどうなるか?ではありません。
硬さとはこすり合わせたときに削れるかどうかで硬さを決めています。
たとえば黒板とチョークをこすり合わせるとチョークが削れるから
字を書くことができるわけです。
これは黒板の方が硬くてチョークの方が柔らかいからです。
こういう視点で考えるとダイヤモンドとハンマーの鉄の部分を
擦り合わせると、ハンマーの鉄部分が削れます。
これはダイヤモンドの方が硬いからです。
こんな感じで硬いかどうかはこすり合わせてどうか?という判断になります。
結合が強いほどこすり合わせても削れません。
それから共有結合結晶の特徴2つ目として
融点が極めて高いという点を挙げることができます。
融点や沸点の高さも結合力の強さに依存します。
結合が強ければ強いほど融点や沸点が高くなります。
融解させたり沸騰させたりというのは結合を緩めたり切ったりすることで起こります。
結合を緩めると液体になりますし
完全に切ると気体になります。
結合を緩めるにしても完全に切るにしても結合力が極めて強い共有結合はたくさんの
エネルギーが必要なので融点や沸点が高いです。
同様にイオン結合の融点も高いです。
⇒イオン結合とは?簡単にわかりやすく解説
最後にまとめますと
・共有結合結晶とは原子が共有結合を繰り返してできた固体のこと。
・共有結合結晶の2つの特徴とは
(1)ものすごく硬い
(2)融点や沸点がものすごく高い
でした。
以上で共有結合結晶とは何か?と特徴についての解説を終わります。