鉄イオンによる沈殿についてわかりやすく解説します。
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鉄イオンによる沈殿
まずは以下の反応について理解して欲しいです。
ちょっと物騒な物質です。
シアン化カリウム、別名青酸カリです。
で、まずシアン化物イオン(
シアン化物イオンの何をチェックするか?というと
それだけです。
次に以下のものもチェックしてください。
【
ヘキサというのは有機化学を勉強すると分かる用語ですが『6』を意味します。
それからシアノはシアンです。
つまりヘキサシアノとはシアンが6個あるという意味になります。
それから鉄。酸化数を書かないといけませんが
+2と+3がありますね。
シアンはー1で6個あります。
だからー6です。
そして【
ということはFeは+2だとわかります。
だってシアンのー6であって全体がー4だったら
鉄が+2でないとつじつまが合いませんからね。
この+2をⅡで表します。
どうして+2になるかわからない方は
酸化数の求め方について書いたこちらの記事をご覧ください。
⇒【化学】酸化数の求め方についてわかりやすく解説
だからヘキサシアノ鉄(Ⅱ)となります。
最後に酸イオンをつけます。
酸イオンと書いてますが、【
陰イオンですよね。
もとの物質は
【
+の
こんな感じで水素イオンがくっついて電荷がちょうど消えるって考えます。
つまり元の物質は
だから【
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸イオンとなります。
【
考えてもよいのですが、実際には水素イオンを足すと
ちょうど電荷が消えて物質の化学式になる。
だから名称に『酸』がつくのです。
これは細かい話なので、軽く受け流していただければと思います。
話を元に戻します。
【
これに
【
ということです。
そして今度は【
3-ですからシアンのー6であって全体がー3だったら
鉄が+3でないとつじつまが合いませんからね。
だから鉄(Ⅲ)となるわけです。
つまり鉄(Ⅲ)ということは
よって
【
となります。
こんな感じで必ず
覚えておいてください。
この場合は反応しません。
【
【
以上を踏まえて反応した結果、
どちらも濃青色の沈殿ができます。
つまり、
【
か
【
の反応が起きた結果、濃青色沈殿ができるってことです。
よろしいでしょうか?
組成はほぼ同じと考えて大丈夫です。
ベルリンブルーとかターンブルブルーといった名前はついていますけど。
組成は非常に複雑なので暗記は不要です。
ただここまで解説した内容の反応が起きて濃青色沈殿ができるということは
覚えておきましょう。
そしてこれらの沈殿物は絵の具に利用されることがあります。
+3の鉄のみの反応
以下は
実は
赤血色(せっけつしょく)の溶液になります。
赤血色(せっけつしょく)は鮮やかな赤色です。
沈殿を作ることもあるのですが、どんな割合でくっつくか?
によって沈殿ができることもあれば溶液ができることもあります。
ただ色は赤血色(せっけつしょく)になります。
以上で解説を終わります。
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