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化学

塩化物イオンによる沈殿についてわかりやすく解説

塩化物イオン 沈殿

前回の記事では水酸化物イオンによる沈殿について解説しました。
水酸化物イオンによる沈殿についてわかりやすく解説

この記事では
塩化物イオンによる沈殿についてわかりやすく解説します。

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塩化物イオンによる沈殿について

沈殿

塩化物イオンによる沈殿について解説する前に
そもそも沈殿について解説します。

沈殿って聞いたことがありますか?
なんとなく聞いたことがあると思います。
沈殿という感じからもわかるように『沈んでいく』わけです。

簡単にいうと沈殿というのは『溶けにくい』ということです。
つまり沈殿の勉強というのは『水に溶けにくい』物質について学んでいくということになります。

例えば硝酸銀($AgNO_3 $)で考えてみましょう。
硝酸銀は水に溶けます。
だから以下のように電離します。
電離、つまりイオンに分かれるということです。

$AgNO_3 $⇒$Ag^{+} $+$NO_3^{ー} $

そして食塩(塩化ナトリウム)。
塩化ナトリウムも水に溶けるので電離します。
イオンに分かれるわけですね。

なので、

$NaCl $⇒$Na^{+} $+$Cl^{ー} $

となります。
上記反応式は食塩が水に溶けて食塩水(イオンに分かれた式)になったことを
意味しています。

この2つの水溶液

$AgNO_3 $⇒$Ag^{+} $+$NO_3^{ー} $
$NaCl $⇒$Na^{+} $+$Cl^{ー} $

を混ぜると白く濁ってしまいます。

どうしてでしょう?
上記2つの水溶液はすごく仲が良いです。
具体的には$Ag^{+} $(銀イオン)と$Cl^{ー} $(塩化物イオン)は仲が良いです。
だから$Ag^{+} $(銀イオン)と$Cl^{ー} $(塩化物イオン)はくっついてしまいます。

つまり、

$Ag^{+} $+$Cl^{ー} $⇒$AgCl $↓(白)

となります。
$AgCl $(塩化銀)は水に溶けにくいです。
しかも白いです。
だから

この2つの水溶液

$AgNO_3 $⇒$Ag^{+} $+$NO_3^{ー} $
$NaCl $⇒$Na^{+} $+$Cl^{ー} $

を混ぜると白く濁ります。

放っておくとできた$AgCl $(塩化銀)が下に沈みます。
つまり沈殿するということです。

こんな感じで沈殿について勉強するときには
$Ag^{+} $(銀イオン)と$Cl^{ー} $(塩化物イオン)みたいな
仲のよい組み合わせをチェックしていくということになります。

では本題に入っていきます。

塩化物イオンによる沈殿

塩化物イオンによる沈殿というと
代表的なものが2つあります。

まず1つ目が銀です。

$Ag^{+} $+$Cl^{ー} $⇒$AgCl $↓(白色沈殿)

もう1つがリンと鉛です。

$Pb^{2+} $+$2Cl^{ー} $⇒$PbCl_2 $↓(白色沈殿)

塩化物イオンというと例えば

・塩酸
・塩化ナトリウム(食塩水)

が有名です。

そして塩化物イオンを含む水溶液を加えると
沈殿が出るものといえば

・銀イオン
・鉛イオン

が有名なので覚えておきましょう。

ところで

塩化物イオンによる沈殿って

・$AgCl $↓(白色沈殿)
・$PbCl_2 $↓(白色沈殿)

どちらも白色沈殿です。

区別ができませんね。

そこで区別するためのポイントについて解説しますね。

塩化銀と塩化鉛を区別するポイント(1)塩化銀

$AgCl $(塩化銀)の特徴ですが、アンモニア水に溶けます。
当然でしょう。
前回の記事で
『銀は過剰なアンモニア水に溶ける』
と解説しました。

そして錯イオンになりました。
直線形の錯イオンになるのでした。

実は銀のイオンがからんでいるものは
基本的にアンモニア水に溶けると考えてOKです。
しかも直線形の錯イオンになります。

なので前回解説した水酸化物イオンの沈殿で
学んだことをそのまま利用してよいのです。

それから$AgCl $(塩化銀)に対して光を当てると黒くなるという特徴があります。
別に焦げるわけではありません(苦笑)。

そうではなくて$AgCl $(塩化銀)に光を当てると銀の原子がでてきます。
これが黒っぽく見える原因です。
光が当たったところだけ黒くなります。
ではどうして黒っぽく見えるか?というと感光性があるのです。

白黒フィルムの原理です。
昔は今みたいにカラーフィルムがありません。
だから白黒フィルムでした。

光が当たったところだけ
白いものが黒くなるのです。
いわゆるネガできるのです。

塩化銀と塩化鉛を区別するポイント(2)塩化鉛

続いて$PbCl_2 $(塩化鉛)。
こちらは変な沈殿なのです。
まず塩化鉛は熱湯に溶けます。
カップラーメンみたいですよね。

水だと沈殿するのに熱湯だと溶けるって。
変なやつです。

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塩化物イオンによる沈殿についてまとめ

塩化物イオンによる沈殿は以上になります。
この記事の内容を理解してマスターしてしまいましょう。
続いて硫化物イオンによる沈殿について解説します。
硫化物イオンによる沈殿重要ポイントをわかりやすく解説

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