この記事では強酸と弱酸の見分け方について解説します。
強酸と弱酸の見分け方について解説
強酸、弱酸というのは前回の記事で解説した電離度で見分けることが可能です。
⇒電離度の求め方(公式を利用した方法)
酸や塩基の水溶液の濃度が変わったり、
温度が変わったりすると電離度が変わったりしますが
通常私たちが扱う酸や塩基の濃度は薄目の0.1mol/Lくらいで考えます。
強酸の見分け方(覚え方)
0.1mol/Lくらいの濃度で電離度αが限りなく1に近い酸を強酸といいます。
強酸は受験化学だと3つ覚えておけばOK。
強酸については見分けるというより暗記しておいた方が正確に解答できます。
(1)塩化水素を水に溶かして作った塩酸($HCl $)
(2)硝酸($HNO_3 $)
(3)硫酸($H_2SO_4 $)
ちなみに硝酸を強酸だと書きましたが、
硝酸を水に溶かした硝酸水溶液が強酸ですからね。
硝酸の水溶液も硝酸も呼ぶのでご了承ください。
塩化水素を水に溶かして強酸の塩酸になるというのは
こちらの記事で詳しく解説しています。
⇒塩酸が混合物である理由
あとは$H_2SO_4 $、これは硫酸です。
この硫酸を水に溶かして薄い状態0.1mol/Lくらいを希硫酸といいますが、
希硫酸も強酸になります。
ということで塩酸、硝酸、硫酸は強酸です。
これをしっかりと覚えておきましょう。
弱酸
これに対して電離度αが非常に小さな酸を弱酸といいます。
実際には中くらいの強さの酸もあるのですが、
通常はわかりのよいように強いものを強酸と定義し
それ以外のものを弱酸と分類します。
・塩酸、硝酸、硫酸が強酸
・それ以外の酸は弱酸
ということです。
こうすると強酸と弱酸を見分けるのが
かなり楽になりますよね。
塩酸、硝酸、硫酸以外の酸は弱酸だということです。
そして酸か塩基かはこちらの記事で
詳しく解説していますのでご覧ください。
⇒ブレンステッドローリーとアレニウスによる酸・塩基の定義
最初は以上のような見分け方でOKです。
酸という名前がついて硝酸、硫酸、塩酸以外だったら弱酸みたいな
処理の仕方をしていきましょう。
ただいつまでもそれでは応用がききませんので
少しずつ弱酸の化学式を覚えていってください。
例えば$CH_3COOH $、これを酢酸といいます。
$CH_3COOH $を薄めたらスーパーやコンビニで売っている酢になります。
あとは水に二酸化炭素を溶かしましょう。
$H_2O $+$CO_2 $です。
水に二酸化炭素を溶かしたら何になるか?わかりますか?
やはりコンビニやスーパーで売っている炭酸水になります。
炭酸水とか炭酸といいます。
コンビニで売っているペットボトルの炭酸水。
フタを開けると泡がでてきますが、
あれが$CO_2 $(二酸化炭素)です。
炭酸については$H_2O $+$CO_2 $と書くこともあれば
化学式をくっつけて$H_2CO_3 $と書くこともあります。
あと、$H_2S $は硫化水素といいます。
酸という名前がついてないくせに酸で、
しかも強酸以外の弱酸になります。
独特の卵の腐ったような臭いで非常に危険なガスです。
硫化水素を吸って亡くなる人も年に何人かいたりします。
硫化水素を水に溶かしたら硫化水素の水溶液は弱酸になります。
あと、$H_3PO_4 $をリン酸といいます。
リン酸は中程度の強さの酸と評価されることもありますが、
強いか弱いかで分けると弱酸に入れてください。
将来医学や栄養系の大学を受験する場合には
$H_3PO_4 $は知っておいた方が何かと役に立ちますよ。
ちなみに私は獣医師ですが、$H_3PO_4 $は
大学時代、テキストでよく見かけた記憶があります。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
今回の記事は以上になります。
ここまで解説した強酸と弱酸の見分け方について
しっかり学んで、試験で高得点を目指していきましょう!