以前の記事で蒸気圧降下や沸点上昇が起こる仕組みについて解説しました。
蒸気圧降下とは何か知りたい方は先にこちらをご覧ください
・蒸気圧降下とは?図を使ってわかりやすく解説
・沸点上昇が起こる理由(ヒント蒸気圧降下)
今回の記事では蒸気圧降下と沸点上昇の関係について
わかりやすく解説します。
蒸気圧降下と沸点上昇の関係
たとえば、水分子4つと砂糖が1つあったとしましょう。
この記事を読んでいるあなたなら絶対知っていると思いますが、
水って100℃になると沸騰しますよね。
デイトナの温度計(油温計)
水は100℃で沸騰。 pic.twitter.com/sk1VKPY2Ku— D級磁石 (@higashi_murolan) >December 19, 2020
温度を上げると蒸気圧が上がっていきます。
水などの液体が気体になることを蒸気といいますが、
その蒸気によって発生する圧力が蒸気圧です。
たとえばヤカンに入れた水を沸騰させるとフタがカタカタ音を立てて動きますよね。
この音を立てて動く現象は蒸気圧が原因です。
ヤカンの蓋がカタカタいうだけの動画 pic.twitter.com/0QzbRAm5sP
— たくみん。@CGC大町チャレヒル前転 (@crfberg59) February 6, 2020
とにかく温度を上げると蒸気圧が上がっていきます。
たとえば100℃になると蒸気圧が上がって1気圧になり水は沸騰します。
でも、砂糖は沸騰しません。
ちなみに50℃だと蒸気圧は0.12気圧くらいです。
10℃だと0.012気圧くらいです。
たとえば、江戸時代。
年貢を払わせるために農民を5人組にしていた時がありました。
当時の農民は朝から晩までせっせこせっせこ田んぼを耕していました。
現在でも一生懸命働いて税金を納めないといけませんが、
江戸時代も年貢を納めないといけませんでした。
現在の日本だと相当な高給取りでもない限り、
時期にもよるでしょうけど、お給料の30%~40%くらいを税金として納めればよいわけです。
前からいっているけど、そもそものハードルが低く設定されすぎていて、加税率が現代にふさわしくないのがある。1000万なんて、世界でみれば普通の中間層の給料なので、そこから40%近くとっていくと、そら子育ても厳しくなる。
この税の見直しを徹底しないと、いくら働いても損って言われて生産性が→ https://t.co/5ZTlSHSPOn
— くまくまさん (@Kumakumasan903) May 28, 2022
でも、江戸時代のある時期では70%を年貢として納めないといけないという頃も
あったようですよ。
変態は良いとしてユーモアが必要だな。 歴史の町直江の時代以降、米沢はとても貧しくて一時年貢(税率70%)の時期があったそうだ。そのために逃げ出す農民や清貧を守らない者を監視するための密告制度の5人組制度があった。これは全国的にもあったらしいが今も風土の底流にあるのではないか。
— 渡部一徳 (@nonenal55) January 9, 2013
本当、令和に生きていてよかったってくらいですよね。
とにかく江戸時代の年貢のある意味税率は高かったみたい。
だから、どうしても年貢を納めることができず逃げ出す農民もいたようです。
そんなこともあって5人組にして、
もし1人が逃げるなどして年貢を納めなかった場合には
残りの4人で逃げた1人分の年貢を納めるようにしていました。
現在でいうところの連帯保証制度みたいなものですね。
ポジティブに考えると
5人のうち1人が病気になり田んぼを耕せない時には
残りの4人が手伝ってあげていたようです。
手伝ってあげることで5人分の年貢を納めれるようにしていたわけですね。
ネガティブに考えるとみんな逃げないように相互で監視するような仕組みが
できあがっていたと考えることもできます。
そんな江戸時代の5人組による監視システムと同じで
砂糖が蒸発しない場合には、他の4つの水分子が出さないといけません。
なので、100℃になったら1気圧で沸騰できますが、
砂糖が蒸発しないから足りません。
この足りないことを蒸気圧降下といいます。
本来の蒸気圧を出すことができないのです。
だから同じ100℃であっても砂糖が蒸発しないので
蒸気圧が下がってしまうから、他の水分子が頑張らないといけません。
つまり、もっと温度を上げないと1気圧に達しませんから
沸点上昇が起こるということです。
結局不揮発性物質(例:砂糖)の蒸気圧の分だけ蒸気圧が減ってしまうのです。
したがって1気圧に達して沸騰するためには他の水分子が頑張らないといけません。
水分子を頑張らせるためには温度を上げるってことです。
蒸気圧が下がるってことです。
なので、通常の蒸気圧に戻すためにもっと温度を上げないといけません。
だから沸点が上がってしまうということです。
こんな感じで沸点上昇というのは蒸気圧降下と深い関係があるってことです。
⊿t=K×C
⊿t:沸点上昇度
K:モル沸点上昇(比例定数、水は0.52)
C:質量モル濃度
沸点上昇度は質量モル濃度に比例します。
以上で解説を終わります。
質量モル濃度についてはこちらの記事を参考にしてください。
・モル濃度の簡単な求め方についてわかりやすく解説
上記式と同じ式がコチラでも登場しましたね。
・凝固点降下について冷却曲線を使ってわかりやすく解説