前回の記事では酸とは何か?解説しました。
⇒酸とは何?わかりやすく解説
前回の記事では酸の具体例として塩酸と硝酸の2種類を挙げました。
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ただ、高校の化学だと知っておかないといけない酸は全部で7種類あります。
この7種類に関しては化学式と価数と強酸か弱酸かという強弱という3つの情報は
暗記しておいた方がよいでしょう。
今回の記事では残り5つの酸も含めて一覧形式でご紹介していきます。
酸の種類一覧
まず前回の記事で2つの酸をご紹介しました。
・(塩酸)
・(硝酸)
では、塩酸、硝酸以外の酸として何があるでしょう?
まず、酢酸があります。
漢字からわかるように酢に入っている酸です。
前回解説した酸の定義通り、
水素イオンが出てくるので酢酸は酸の一種ですね。
⇒酸とは何?わかりやすく解説
それから酸の仲間に硫酸があります。
硫酸の硫は硫黄の硫です。
です。
シュウ酸も酸の一種です。
もしかしたらシュウ酸って初めて聞くかもしれません。
私は獣医師として日々、ペットの診療をしているのですが、
犬や猫のオシッコの病気にシュウ酸カルシウム結晶というのがあります。
もしあなたが医療関係の道に進みたい場合には
シュウ酸は避けて通れません。
あるいは栄養士さんを目指す場合もシュウ酸は重要です。
大学に入って化学の実習がある場合、
シュウ酸というのは滴定における標準物質としてよく使われます。
標準物質というのは濃度水溶液をきっちり作り上げることができる物質のことです。
シュウ酸というのは非常に安定性がある物質です。
たとえば、1mol/Lのシュウ酸水溶液など、きっちり測って作ることがしやすいです。
シュウ酸の反応式は
です。
やはり水素を放出しますからシュウ酸も酸の一種です。

他には炭酸も酸の一種です。
二酸化炭素が水に溶けるとできる酸です。
炭素を含むから炭酸といいます。
炭酸の反応式は
と、水素イオンを出すから炭酸も酸の仲間ですね。
それからリン酸も酸の一種です。
DNAにも含まれていますし、人間の骨とか歯の主成分の一部でもあります。
骨や歯の主成分はリン酸カルシウムです。
リン酸のカルシウム塩です。
ですから、人間の体の中でリン酸は非常に重要な物質といえます。
食品添加物の使用として認められている中で一番酸味が強いものがリン酸です。
リン酸の反応式は
とやはり、水素を放出するためリン酸は酸の一種です。
以上、高校レベルの化学で覚えておいた方がよい酸、7種類をご紹介しました。
もう一度、一覧形式でまとめてみますと、、、
(1)(塩酸)
(2)(硝酸)
(3)(酢酸)
(4)(硫酸)
(5)(シュウ酸)
(6)(炭酸)
(7)(リン酸)
です。
さらに欲を言えば、
・化学式(名前言われたらすぐに化学式書けるように!)
・強い酸なのか、弱い酸なのか
・価数(電離式を書いた時の3H^{+} $の係数)
という3つの情報は暗記することをおすすめします。
価数はたとえば、リン酸なら
以下暗記事項をお伝えします。
大学受験を目指している方は絶対に覚えましょう。
酸の種類暗記事項:化学式
(1)(塩酸)
(2)(硝酸)
(3)(酢酸)
(4)(硫酸)
(5)(シュウ酸)
(6)(炭酸)
(7)(リン酸)
上記の中で暗記が必要な化学式は
(1)(塩酸)
(2)(硝酸)
(3)(酢酸)
(4)(硫酸)
(5)(シュウ酸)
(6)(炭酸)
(7)(リン酸)
となります。
酸の種類暗記事項:価数
次に価数(かすう)を覚えましょう。
価数は水素イオンの係数のことです。
(1)(塩酸)
(2)(硝酸)
(3)(酢酸)
(4)(硫酸)
(5)(シュウ酸)
(6)(炭酸)
(7)(リン酸)
ですから、
(1)塩酸の価数は1価
(2)硝酸の価数は1価
(3)酢酸の価数は1価
(4)硫酸の価数は2価
(5)シュウ酸の価数は2価
(6)炭酸の価数は2価
(7)リン酸の価数は3価
となります。
酸の種類暗記事項:酸の強弱
今回ご紹介した酸の種類で強酸か弱酸かは
暗記する以外に方法はありません。
(1)塩酸は強酸
(2)硝酸は強酸
(3)酢酸は弱酸
(4)硫酸は強酸
(5)シュウ酸は弱酸
(6)炭酸は弱酸
(7)リン酸は弱酸
です。
以上は大学受験生なら理屈抜きで覚えましょう。