今回の記事では有機化合物の構成元素には何があるか?
解説していきます。
有機化合物の構成元素(構成原子)
有機化合物を構成する原子たちはいっぱいいます。
でも、主役は炭素です。
元素記号は『C』ですね。
ここで構成原子について基礎知識を入れておきたいと思います。
そのために電子式を書いていきますね。
電子式の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒電子式書き方の決まりをわかりやすく解説
電子式では最外殻電子の数だけ元素記号の周囲に●を打っていきます。
炭素は原子番号が6番の原子なので、K殻に電子が2個、L殻に電子が4個あります。
なので、最外殻には4つの電子が存在するわけですね。
ということで●を4つ元素記号の周りに打っていくことになりますね。
ところで共有結合を覚えていますか?
共有結合についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒共有結合とは?簡単に例を挙げながら解説します
共有結合というのは互いの不対電子同士を出し合って連結する結合のことです。

たとえばX、Yという原子があったとしましょう。
それぞれ不対電子を1個ずつ持っているとします。
自分の不対電子同士をお互いに提供しあって(上記画像左側)、
共有電子対(上記画像右側)を作って結びつくのが共有結合です。
つまり、不対電子を1個持てば、
結合を1か所作ることができますし
不対電子が2個あったら結合を2個作れるということです。
炭素原子は不対電子が4個あります。
なので、作れる結合の本数は4本ということになります。
結合の手の数が4本あるということです。
結合の手の数を原子価といいます。
ですから、炭素原子の原子価は4ということになります。
共有結合は
原子同士が「お互いの価電子・不対電子」を出し合って
『共有電子対』を作っています。 pic.twitter.com/CtArV9tM3W— 未知なる人間、遥かなる宇宙☀ (@Orion_G7) April 12, 2022
そして有機化合物の準主役になるのが水素原子です。
不対電子は1個だけです。
他にも酸素原子を含む化合物もあります。
元素記号はOです。

酸素は原子番号が8番でK殻には2つL殻には6個の電子を持っています。
ですから最外殻電子は6個です。
すると不対電子は2つあるので、手の数は2本(原子価は2)ということになります。
他にも窒素(元素記号はN)があります。
窒素の不対電子はいくつありますか?
原子番号:7
元素記号:N
日本語名:窒素
空気の約78.08 %を占めるほか、アミノ酸をはじめとする多くの生体物質中に含まれており、地球のほぼすべての生物にとって必須の元素である。 一般に「窒素」という場合は、窒素の単体である窒素分子を指すことが多い。— あ (@xlFQZwxPtKUPNBe) April 18, 2022
窒素の原子番号は7番ですね。
K殻に2個、L殻に5個です。

なので最外殻(L殻)に5個の電子を持っているので不対電子は3つになりますね。
なので原子価は3ということになります。
それから塩素原子(Cl)は原子番号が17番です。
K殻が2個、L殻が8個でM殻が7個なので
最外殻電子(M殻)は7個の電子を持ちますね。

なので不対電子の数は1個なので原子価は1つとなります。
こんな感じで有機化合物で登場する有名な元素(原子)を挙げてみました。
不対電子の数がそのまま結合の手の数になりますから、
それぞれの原子が原子価(手)を何本持っているのか?
ということを覚えておきましょう。
有機化合物の構成元素には何があるか?まとめ
最後にまとめますと
炭素(C) | 最外殻電子数4個、不対電子4⇒原子価4 |
---|---|
酸素(O) | 最外殻電子数6個、不対電子2⇒原子価2 |
窒素(N) | 最外殻電子数5個、不対電子3⇒原子価3 |
塩素(Cl) | 最外殻電子数7個、不対電子1⇒原子価1 |
以上で有機化合物の構成元素には何があるか?についての解説を終わります。