今回の記事では浸透圧についてわかりやすく解説していきます。
浸透圧についてわかりやすく説明します
まずガラスの筒を用意します。
そしてこのガラスの筒の中心に半透膜を用意します。
半透膜にはいろいろあります。
この記事で解説する半透膜は『溶媒だけ』通すものとします。
この記事では『溶媒=水』と思ってもらって大丈夫です。
次に上記図のように両端にピストンを加えましょう。
このピストンは可動ピストンです。
自由に動けるピストンだということです。
そして図の右側に蒸留水($H_2O $)を入れます。
左側にショ糖水溶液を入れます。
ショ糖は粒が大きいです。
この半透膜は溶媒だけ通します。
すると濃度が等しくなろうとして溶質(ショ糖)や溶媒(蒸留水)が
移動したがります。
濃度が等しくなろうとショ糖水溶液や蒸留水が
移動したがりますが、
半透膜があるのでショ糖水溶液(溶質)は右側に移動できません。
粒が大きいため半透膜を通ることができないからです。
前提条件としてこの半透膜は溶媒(水)しか通らないのでしたね。
では濃度が等しくなるためにはどうすればよいか?
水がショ糖水溶液の中に流れ込んでいくしかありませんね。
ではこの水はどうなるでしょう?
濃度が等しくなるまでずっと左側へ移動します。
ピストンも左側へ移動します。
そしてピストンが半透膜にべたッとくっついて
全体的に左にずれて終わりになります。
溶媒が左側の溶液に入り込むことを浸透といいます。
そしてこの浸透を止めるためにショ糖側から加える力を浸透圧といいます。
ナメクジの例を使って浸透圧についてわかりやすく解説
ナメクジの表面部分(皮の部分)というのは
半透膜の役割を果たします。
ここに塩をかけます。
ナメクジを触るとちょっとヌメヌメしています。
表面にうっすらと水分があるということです。
わらわらわら
担当学芸員がお休みなのでケース洗いしました。ヌメヌメが半端な〜い。
私は巨大なヤマナメクジが好きです。
5月4日なめくじ講演会ありますょ〜 pic.twitter.com/GMrzlV5VSK— 前畑真実🐛 maminosuke (@montachun) April 29, 2019
この表面のうっすらと水分があるところに
塩をかけるとどうなるでしょう?
濃い溶液になるわけです。
ナメクジだって生き物です。
体の中には水があります。
なので体の中には水があって体の外側には
濃度の濃い食塩水があるわけです。
そうすると濃度が等しくなろうとして
ナメクジから水分がどんどん出ていくことになります。
結果、ナメクジが潰れてしまいます。
これは浸透圧の具体例です。
科学トリビア(そうだったんだ編⑩)
【ナメクジは「砂糖」でも溶ける】
塩をかけるとナメクジが溶けることは有名だが、実は砂糖でも同じことが起こる。塩と砂糖 どちらをかけても、浸透圧の作用により、ナメクジの体内から水分が漏れ出し、塩や砂糖に吸収されてしまうため、結果的に死んでしまう。 pic.twitter.com/KjD5KTgLTe— biki@全力回避フラグちゃん!他 (@biki_relic) June 23, 2019
ナメクジの体内は完全な水ではないものの薄い水溶液です。
そこに体の外に塩をかけると
外の方が濃い溶液になるため、
どんどん体の外へ水分が浸透していくことになります。
この浸透を止めるために逆側から加える力。
これが浸透圧です。
梅酒の中の梅の例を使って浸透圧についてわかりやすく解説
梅の皮の部分は半透膜の役割を果たしています。
ただの蒸留水を使うと
梅の中身の方が濃度が濃いですから水が中に入って
梅がどんどん膨れていきます。
ですが氷砂糖を溶かした溶液の中に梅を入れると
梅の中身より氷砂糖の水溶液の方が濃度が濃くなります。
すると濃度が等しくなろうとして
薄い濃度である梅の中身から濃い外側の方に浸透していきます。
梅の中にはうまみ成分が含まれています。
なので氷砂糖の水溶液の方に梅のうまみ成分がどんどん出ていき混ざっていきます。
結果、梅は縮みます。
これも浸透圧の具体例になります。
以上で解説を終わります。