この記事では
「アミド結合とペプチド結合の違いがよくわからない」
という方に向けて解説します。
Contents
アミド結合とペプチド結合の違い
いきなり結論から。
アミド結合とペプチド結合に違いはありません。
ほとんど同じです。
『ほとんど』と書いたのには理由があります。
例えば犬の種類にチワワがいますよね。
アミド結合が犬でチワワがペプチド結合みたいな感じです。
どういうことか?というと
アミド結合の中にペプチド結合があるからです。
もう少し詳しく解説しますと
アミド結合の中でもアミノ酸同士がアミド結合した場合をペプチド結合というのです。
なのでペプチド結合はアミド結合の一種です。
そう考えてもらえるとOKです。
チワワといったら犬ですね。
でも犬といったら絶対チワワか?
といったらそんなことはありませんよね。
トイプードルも犬の仲間ですし、他にも
フレンチブルドッグだって犬の仲間です。
ペプチド結合といったらアミド結合の一種です。
でもアミド結合といったら確実にペプチド結合か?
といったらそんなことはありませんからね。
ペプチド結合じゃないアミド結合だってありますから。
ペプチド結合はどっちもアミノ酸同士におけるアミド結合のことですからね。
逆にどちらか1つでもアミノ酸でないなら
それはアミド結合かもしれませんが、ペプチド結合ではありません。
論理っぽい話になってややこしくなってきましたね。
すみません。
ではそもそもアミド結合ってどういう結合なのでしょうか?
以下解説しますね。
アミド結合とは?
アミド結合を理解する大前提としてアミンを知っておいてください。
いろんなアミンがありますが、代表的なのは$R-NH_2 $です。
このアミンとカルボン酸の間から水($H_2O $)を取ることもできます。
すると上のような構造が出てきます。
これをアミド結合といいます。
このアミド結合を持っているものをアミドといいます。
網戸ではありません(苦笑)。
ところでこの記事をご覧のあなたなら
タンパク質という言葉を知っていると思います。
化学に興味があって勉強している方ですからね。
「タンパク質補給ために肉を食べよう!」
みたいな会話ってありますよね。
29週の儀式!
元々ヴィーガン志向だったけど今年は肉食べる‼️タンパク質、鉄分補給‼️
焼肉屋行きたいけど、家から徒歩1分に松屋があるのでとりあえずテイクアウトでカルビ焼肉定食!
妊糖再検査が控えているのでご飯小盛りでサラダつけた! pic.twitter.com/MeA7OsNwyZ— なすまる☺︎@年子双子🎀1y3m +🐘🐘0y4m (@vo_no_1013) August 4, 2022
牛肉や豚肉はアミド結合(ペプチド結合)を持っています。
その通りです。
消化酵素によってタンパク質(高分子に結合したアミノ酸)はペプチド(いくつかペプチド結合したアミノ酸)に分解、そこからさらに分解されて最終的にアミノ酸になって主に小腸で吸収されていきます。
コラーゲンを食べても牛肉を食べても、同じタンパク質の一種なので最後は一緒ですね。
— おマム【LaGとTaC】 (@omamulikegame) May 2, 2020
あと、明治時代は一生懸命蚕(カイコ)を育てていました。
蚕が吐くまゆ糸から絹糸を取り出していました。
みんなが蚕を育てて絹糸を作っていたのです。
そして海外に輸出していました。
ただ蚕を育てて絹糸を作るのには人件費がかかりますよね。
だから絹糸は高くなりがち。
カイコの繭は白いと思っている人は多いが、中国や東南アジアの養蚕はほとんどが原種に近い黄色。日本でも都浅黄(みやこあさぎ)や都黄金(みやここがね)といった黄繭の品種も。
明治時代に主要な輸出品であった生糸を、他と差別化するために品種改良して白い繭を作ったようだ pic.twitter.com/HfOtSRCu5b— 昆虫エネルギー研究所 (@konenejapan) June 16, 2020
そこでアメリカ人が絹糸を人間の手で作る方法はないか?と調べていたようです。
調べてみたところ絹糸はタンパク質だとわかりました。
そしてアミド結合をしていることもわかりました。
絹糸を真似ようとしたナイロンがアミド結合で成り立っているのはわかるけど、皮革ってウレタン結合で成り立ってるのかな
— 財団自然人ちかのん🕊 (@twittanon) July 25, 2017
さらに絹糸の代わりになるアミド結合を持つものを必死に探したところ、
石油から66ナイロンを作ることに成功しました。
石油の話は久しぶりにサイエンティフィックな教育番組だ。高校化学で66ナイロン作るよね。
封印の盾に閉じ込められるアーマーガイスト。なんとも損な役割を受け持っちゃって少々かわいそうなのだった。#勇者エクスカイザー— 啄(ついばみ) (@matepa_4_iyoiyo) April 7, 2020
石油からできた66ナイロンは絹糸と性質があまり変わりませんでした。
しかも絹糸はたくさんの労働者が一生懸命
蚕を育てて作られています。
また、蚕のエサは桑の葉です。
桑の葉代だってかかります。
なので絹糸は人件費などのコストが半端なくかかるから高額だということです。
これに対して66ナイロンは石油から機械で
大量に作ることができます。
だから66ナイロンの方が安くできます。
そんなこともあって
世界中でナイロンが安く大量にできるため広まりました。
結果、絹糸はそこまで売れなくなりました。
その後、戦争に突入したようです。
戦時中の絹不足が画材不足へと繋がり、技術査定に通らなかった画家達は徴用されてったという酷な話
絹糸はナイロンが普及するまで大事な軍需品だったからね pic.twitter.com/Xg3UjB6gY5
— HAL@古き悪しき時代大好き侍 (@HAL9152) May 5, 2019
以上でアミド結合とペプチド結合の違いについての解説を終わります。