今回の記事ではヨウ素デンプン反応で色に違いがでる理由について
わかりやすく解説していきたいと思います。
ヨウ素デンプン反応で色に違いがでるのはなぜ?
デンプンは多糖類の一種です。
多糖類というのはたくさん糖がつながっているものを指します。
ところでお湯の入った試験管にデンプンを溶かすとどうなるでしょう?
すると、試験管の下に溶けずに沈むものと
お湯に溶けるものに分かれます。
・お湯に溶けているものをアミロース
・お湯に溶けずに試験管の底にたまるものをアミロペクチン
といいます。
アミロースというのはグルコースがつながってできています。
ただ、少し角度がある状態でつながっています。
だからグルコース6分子つながって1回転するような構造をアミロースはしています。
これに対してアミロペクチンというのは
6分子で1回転しつつ、ところどころで枝分かれが起きています。
ここからがヨウ素デンプン反応の色の違いを理解するのに重要なので
注意して読んでいただきたいのですが、、、
でんぷんの種類によってアミロースとアミロペクチンの混じりあいの割合が変わってきます。
たとえばもち米。
もち米はアミロペクチンがほぼ100%です。
お湯に溶けずに沈むアミロペクチンがほぼ100%で
もち米はできていますし
6分子で1回転しつつ、ところどころで枝分かれするという構造から
強い粘りが出てきます。
ですが、有名なお米の仲間、コシヒカリのアミロペクチンは81%で
アミロース19%です。
うるち米だとアミロースが約20%でアミロペクチンが約80%です。
こんな感じでデンプンの種類によって
アミロース、アミロペクチンの割合が変わってきます。
デンプンっていうと
小学校や中学校くらいの理科の実験でヨウ素デンプン反応を
やった経験があるのではないでしょうか?
お湯に溶かしたデンプンの中にヨウ素を加えると
アミロースの場合は上記画像のらせんの中につながっていきます。
ひたすららせんがつながっているので、やはりヨウ素もひたすらつながります。
で、アミロースにヨウ素が長く繋がるほど、色が青色になります。
これに対してアミロペクチンの場合、
らせんに枝分かれがあるのでヨウ素が長く繋がれません。
すると、ヨウ素デンプン反応が赤くなります。
だから理科の実験でヨウ素デンプン反応の結果を紫色と覚えますが、
実はアミロース、アミロペクチンの割合によって色が変わってきます。
もち米100%ならアミロペクチンが100%なので
ヨウ素デンプン反応の結果、赤色になります。
コシヒカリになるとアミロペクチンが81%、アミロースが19%なので
青色も混ざってくるので赤紫色になってきます。
アミロースの割合が多くなってくると青色になってきます。
こんな感じでデンプンに含まれるアミロース、アミロペクチンの割合によって
赤紫になったり、青紫になったり、青色になったり赤色になったりと変わってくるわけですね。
これがヨウ素デンプン反応で色に違いがでる理由でした。
最後にまとめるとヨウ素デンプン反応で色に違いがでる理由は
デンプンに含まれるアミロースにヨウ素を加えると青色に
アミロペクチンにヨウ素を加えると赤色に変わるという性質から
アミロペクチンとアミロースの割合によって
色が変化するってことです。
これって、青色の絵の具にどれくらいの割合で赤色を混ぜるかで
色が変化するのと同じ理屈だってことです。
青がキレイ!!プルキンエ現象!!(違)
1枚目が青と赤で紫を作ったところ、
2枚目がプルキンエ(笑)
3枚目が、混ぜる前の青、っていうか群青。#水彩絵の具 #青色 pic.twitter.com/0DCZsyik0p— ほのか ひざく (@arch_kh7777777) September 9, 2016
以上、参考にしていただければ幸いです。