化学

放射性同位体の炭素の特徴と活用方法をわかりやすく解説

放射性同位体

前回の記事では同位体とは何か?炭素を例に解説しました。
同位体とは?炭素を例に分かりやすく解説

上記画像をご覧ください。
一番右の炭素に注目です。

質量数が14の炭素原子ですが、これは少し特殊な能力を持っています。
放射能という能力です。
放射能とは放射線を出す能力のことです。

たまに間違って、「放射能を出す」という事がありますが、
この表現は間違いです。

放射能は出すものではありません。
持っているものです。能力ですからね。

放射性同位体

質量数が14の炭素原子は放射線を出す能力を備えた原子で
放射性同位体
といいます。
放射性同位体はラジオアイソトープともいいます。

質量数14の炭素は放射線を出しながら少しずつ壊れていく原子です。

ただ、前回の記事をご覧になった方はこう言うかもしれません。
同位体とは?炭素を例に分かりやすく解説

「同位体って化学的な性質は同じなんじゃないの!?
質量数14の炭素は質量数が12や13の炭素と性質が違うじゃないですか!」って。

ちょっとややこしい話になりますが、
放射線を出す能力というのは、化学的な反応性ではありません。
放射線を出す能力は物理的な性質になります。

だから、質量数が14の炭素は他の物質と化学反応をする性質は同じだけど、
放射線を出すという物理的な性質は違うと理解しておくとよいでしょう。

たとえば、酸素$O_2 $と反応して二酸化炭素$CO_2 $を作るとか。
こういう化学反応をする性質は質量数が12の炭素も13の炭素も14の炭素も同じです。

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放射性同位体の炭素の特徴と活用方法

放射能

ところで質量数14の炭素(放射性同位元素)は原子核がすごく不安定です。
原子核についてよくわからない方はこちらの記事をご覧ください。
原子の構造について図を使ってわかりやすく解説

とにかく質量数14の炭素は原子核がすごく不安定なので放射線を出しながら壊れていきます。
だから放射性同位体といいます。

で、質量数14の炭素が放出する放射線を浴びることを被ばくするといいます。
放射性同位体というのは完全に悪です。
放射線というのはいいものではありません。

遺跡

でも、放射線をうまく利用すると科学技術の発達にはつながります。
たとえば考古学に利用されています。
放射性同位体を利用して年代測定に使われます。

ある遺跡から木の破片が発掘されたとしましょう。
この木の破片に含まれている質量数14の炭素の濃度を測定します。
質量数14の炭素は少しずつ壊れていくわけですが、
壊れるのにどれくらいの時間がかかるかわかっています。

濃度が半減するまでに約5700年かかることがわかっているんですね。
だから、遺跡から発掘された木の破片が大気中の濃度のちょうど\(\frac{1}{2}\)だったら
5700年前の遺跡だとわかるわけですね。

そんな年代測定に放射性同位元素が利用されたりします。
あるいは、生物実験でも放射性同位体が利用されています。

たとえば、ある薬を作ろうと製薬会社が考えたとしましょう。
その薬の一部に放射性同位体である質量数14の炭素をつけておきます。

そしてこの放射性同位体を含んだ薬をマウスなどに投与します。
で、しばらく待ってどの臓器から放射線が出てくるか?
を調べることでどの臓器にこの薬が移動したかがわかりますね。

たとえば、腎臓だけから放射線が出てきたなら
この薬は腎臓に送り届けられるものだとわかります。

こんな感じで生体内で物質がどういう動きをするかを
追跡する装置みたいに利用することもできます。

こんな感じで放射性同位体は100%の悪者ではありません。
上記のような利用例もありますからね。

放射性同位元素は

・遺跡から発掘されたものの年代推定
・薬がどういう動きをするか追跡する装置

として利用されることもあります。

以上で解説を終わります。

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