今回の記事では空気より重い気体(密度が大きい気体)を
選ぶ問題を解く方法について解説します。
空気より重い気体(密度が大きい気体)の考え方
たとえばこんな問題が出題されたら
あなたならどうやって解きますか?
以下の中から空気よりも密度が大きいもの(空気より重い気体)を選んでください。
前提として常温常圧とします。
・$CH_4 $(メタン)
・$O_2 $(酸素)
・$Ne $(ネオン)
・$NO_2 $(二酸化窒素)
・$CO_2 $(二酸化炭素)
・$F_2 $(フッ素)
・$N_2 $(窒素)
・$CO $(一酸化炭素)
・$F_2 $(フッ素)
・$NH_3 $(アンモニア)
化学の受験生って
『密度』とか『空気より重い気体』って言葉が大嫌い。
だから『密度』とか『空気より重い気体』って文字を見たら
すごく嫌な気持ちになってしまいます。
でも、今回の記事を読んだら
周りの受験生は『密度』とか『空気より重い気体』という問題を見て
嫌な気持ちになっているのを見ながら
「やったー、めっちゃ簡単な問題が出た!」
って嬉しい気持ちになると思います。
密度が大きいもの(空気より重い気体)とは?
さっきお見せした問題を解くために
まずは密度とか空気が重い気体とは何なのか?理解しておく必要があります。
空気の場合は必ず1molが22.4Lです。
1mol(モル)が22.4Lの意味がわからない方はこちら
・1モルから得られる3つの情報とは?わかりやすく解説
たとえば水素($H_2 $)は1モルが2g(グラム)です。
どうして水素1モルが2gになるのかわからない方はこちら
・アボガドロ数とは?わかりやすく解説
水素1モルが2gなわけですが
では、密度はいくらになるでしょう?
密度の単位はg/L(1リットル当たり何グラムですか?)
水素の場合は
2gを22.4Lで割ることになりますね。
グラム(g)をリットル(L)で割れば単位はg/Lになりますからね。
なので、密度は
水素の密度=2g÷22.4L=0.09g/L
となります。
今回出した問題は
以下の中から空気よりも密度が大きいもの(空気より重い気体)を選んでください。
前提として常温常圧とします。
・$CH_4 $(メタン)
・$O_2 $(酸素)
・$Ne $(ネオン)
・$NO_2 $(二酸化窒素)
・$CO_2 $(二酸化炭素)
・$F_2 $(フッ素)
・$N_2 $(窒素)
・$CO $(一酸化炭素)
・$F_2 $(フッ素)
・$NH_3 $(アンモニア)
です。
空気よりも密度が大きいもの(空気より重い気体)を選ぶ問題です。
簡単にいうと、『空気よりも分子量が大きいものはどれか?』というのと同じことです。
22.4Lの重さを比べても、1Lの重さを比べても
空気と比べて重いかどうか判断するだけですから
どちらでも答えは同じになります。
だから空気より分子量が大きいものはどれですか?
というふうに読み替えると簡単に問題を解くことができます。
・空気の分子量は28.8(29でもOK)
です。
空気の分子量は窒素の分子量(28)よりほんのちょっと大きいくらいですね。
空気ってそのままの話で、
私たちが無意識に吸い込んでいる『空気』のことです。
あなたがアメリカに行っても
フランスに行ってもドイツに行っても
どこに行っても空気の成分はほぼ一定です。
・酸素・・・約21%
・窒素・・・約78%
・アルゴン・・・約1%
・二酸化炭素・・・0.1%にも満たない
となっていて空気って混合物なわけですね。
ただ、厳密性を求めない場合には
酸素が20%で窒素が80%の混合気体として考えることが多いですね。
空気より重い気体(密度が大きい気体)を選ぶ問題を解いてみよう!
ここまで理解できたら、一緒に問題を解いていきましょう。
以下の中から空気よりも密度が大きいもの(空気より重い気体)を選んでください。
前提として常温常圧とします。
・$CH_4 $(メタン)
・$O_2 $(酸素)
・$Ne $(ネオン)
・$NO_2 $(二酸化窒素)
・$CO_2 $(二酸化炭素)
・$F_2 $(フッ素)
・$N_2 $(窒素)
・$CO $(一酸化炭素)
・$F_2 $(フッ素)
・$NH_3 $(アンモニア)
今回登場した分子量は全部暗記しておいた方がよいですよ。
・$CH_4 $(メタン)・・・16(12+1×4=16)
・$O_2 $(酸素)・・・32(16×2=32)
・$Ne $(ネオン)・・・20
・$NO_2 $(二酸化窒素)・・・46(14+16×2=46))
・$CO_2 $(二酸化炭素)・・・44
・$F_2 $(フッ素)・・・38
・$N_2 $(窒素)・・・28
・$CO $(一酸化炭素)・・・28
・$F_2 $(フッ素)・・・38
・$NH_3 $(アンモニア)・・・17
こんな感じで主な分子量は暗記しておいた方がよいですよ。
分子量を覚えているのを前提で問題が出題されることもありますからね。
分子量を覚える前提として原子量の暗記も必須ですよ。
・水素Hの原子量は1
・酸素Oの原子量は16
・炭素Cの原子量は12
・窒素Nの原子量は14
・硫黄Sの原子量は32
・ナトリウムNaの原子量は23
・銅の原子量は63.5
・塩素の原子量は35.5
です。
上記原子量を覚えておけば
$CO_2 $(二酸化炭素)の分子量は
炭素Cの原子量が12、酸素Oの原子量が16なので
12+16×2=44と簡単に計算することができますね。
・$CH_4 $(メタン)・・・16(12+1×4=16)
・$O_2 $(酸素)・・・32(16×2=32)
・$Ne $(ネオン)・・・20
・$NO_2 $(二酸化窒素)・・・46(14+16×2=46))
・$CO_2 $(二酸化炭素)・・・44
・$F_2 $(フッ素)・・・38
・$N_2 $(窒素)・・・28
・$CO $(一酸化炭素)・・・28
・$F_2 $(フッ素)・・・38
・$NH_3 $(アンモニア)・・・17
なので、
・$O_2 $(酸素)・・・32
・$NO_2 $(二酸化窒素)・・・46
・$CO_2 $(二酸化炭素)・・・44
・$F_2 $(フッ素)・・・38
となりますね。
以上で解説を終わります。