前回の記事では原子量とは何か?ということと、
原子量の計算の仕方について解説しました。
⇒原子量とは?計算の仕方とともに簡単にわかりやすく解説
原子量というのは、その原子に存在する同位体の相対質量と
その存在比率を考慮して計算するのでしたね。
単純な平均値を求める方法ではダメでした。
今回の記事では原子量の計算の仕方を前提として
式量と分子量の違いについて解説してみたいと思います。
式量と分子量の違い
原子量は原子1個の重さを表す数値ですが、
分子1個とかイオン1個を表す数値だって表現することができます。
分子1個の重さを表す数値は分子を構成する原子の原子量の総和、
イオン1個の重さを表す数値はイオンを構成する原子の原子量の総和
という形で表現できます。
特に難しいものではありません。
化学式を見た時に、そこにでてきた原子の原子量を全部プラスすると
分子量だったり、式量だったりが計算できるということです。
分子だったら分子量、分子でないものだったら式量という言葉を使います。
原子1個の重さだったら原子量でよいわけですが、
分子だったら分子量になり、イオンだったら式量になるということです。
周期表(上記のには掲載されてませんが・・・)を見たら原子量が掲載されているので
載っている原子量の数字を使って原子量を全部足すと
分子量とか式量が計算できるので、そんなに難しいものではありませんからね。
ここまでまとめると、分子量と式量の違いは
式量はイオン(プラスとかマイナスが原子の右上に書いてあるやつ)の場合の呼び名で、
分子量は$CO_2 $みたいに、原子1個でない組み合わせになっている場合の呼び名です。
もう少し専門的に分子量と式量の違いを説明しますと、
分子量は共有結合でできたもので
式量はイオン結合や金属結合でできたもののことです。
⇒共有結合とは?簡単に例を挙げながら解説します
⇒イオン結合とは?簡単にわかりやすく解説
⇒金属結合とは?例を挙げながらわかりやすく解説
共通点は分子量も式量もどちらも原子量を全部足すと計算できます。
具体例を示しますね。
たとえば塩化銅$CuCl_2 $はイオン結合です。
銅の原子量は前回計算したように63.5で、Clの原子量は35.5ですから、
式量を計算することになりますね。
⇒原子量とは?計算の仕方とともに簡単にわかりやすく解説
式量は63.5+35.5×2=134.5
塩化銅の式量は134.5となりますね。
それから二酸化炭素($CO_2 $)は共有結合なので分子量を計算できます。
Cの原子量は12でOの原子量は16なので、
分子量は12+16×2=44
二酸化炭素の分子量は44となりますね。
以上で解説を終わります。