前回の記事では電子殻についてかなり詳しく解説しました。
特にどうして電子殻はK殻から始まるのか?については
かなり詳しく説明しています。
⇒電子殻はなぜKから始まるのか?わかりやすく解説
今回の記事ではK殻から始まる電子殻ですが、
それぞれ、最大収容数が決まっています。
たとえば、K殻に入る電子の収容数はいくらでしょうか?
簡単に覚える式があるのでご紹介します。
次に電子殻に入る最大電子収容数がわかったとしても
今度はここまでの考え方ではうまくいかないケースが出てきます。
たとえば、あとで解説しますがM殻の最大電子収容数は18個ですが、
18個入ることなく、途中でN殻に電子が入っていきます。
この辺のことが疑問に感じている方にとっても当記事は有用だと思います。
以下、詳しく説明してみたいと思います。
Contents
電子殻の最大収容数

電子殻はKから始まって外側に広がるような配置をしています。
それぞれの電子殻には電子が入るのですが、
電子が入ることができる数を最大電子収容数といいます。
最大電子収容数はわかりやすくいうと定員だと考えるとわかりやすいでしょう。
最大電子収容数は上記図におけるn番目のところで
覚えると理解しやすいです。
n番目の最大電子収容数は$2n^2 $です。
つまり、n番目の電子殻に$2n^2 $個まで電子が入ります。
これを覚えてください。
たとえば、K殻は1番目の電子殻なので、n=1です。
なので、最大電子収容数は$2n^2 $にn=1を代入して、
$2×1^2 $=2
よってK殻の最大電子収容数は2個となります。
ではL殻の最大電子収容数はいくらになりますか?
L格は2番目なので、n=2ですね。
$2n^2 $にn=2を代入して、
$2×2^2 $=$2×4 $=8
L殻の最大電子収容数は8個となりますね。
同様にM殻はn=3ですから、
$2×3^2 $=$2×9 $=18
M殻の最大電子収容数は18個となりますね。
くどいですが、N殻もやってみますよ。
N殻はn=4ですから、
$2×4^2 $=$2×16 $=32
N殻の最大電子収容数は32個となりますね。
n番目・・・$2n^2 $個
K殻(n=1)・・・2個
L殻(n=2)・・・8個
M殻(n=3)・・・18個
N殻(n=4)・・・32個
O殻(n=5)・・・50個
($2×5^2 $=$2×25 $=50)
と延々と続きます。
こんな感じでそれぞれの電子殻に入る電子の最大数を求めることができます。
電子殻の収容数がわかった方へ

電子殻と収容数の関係が理解できましたね。
次に知っておいて欲しいことがあります。
電子は内側のK殻から埋まっていきます。
K殻の最大電子収容数は2個なので、
電子が2個K殻に埋まったら
その次の電子はL殻に入ります。
もしL殻の最大電子収容数8個も埋まったら
M殻に電子が埋まっていきます。
K殻に電子が2個入るとK殻の定員はいっぱい。
次にL殻に電子が8個入ったら、次はM殻へと
外側に外側にと電子が埋まっていきます。
ただ、M殻の電子殻の入り方はちょっと変です。
M殻の最大電子収容数は18個なので、
18個まで入るけど、まず8個電子を埋めます。
すると18個-8個=10個
なので、まだ10個M殻に電子が入る余力があります。
でも、M殻に電子が10個入る余力を残したまま
先にN殻に2個電子を埋めます。
N殻に電子が2個入ったら、またM殻に帰ってきて10個電子を埋めます。
こんな不規則な入り方をします。
K殻に2個電子が入る
⇒L殻に8個電子が入る
⇒M殻に8個電子が入る(まだ10個入る余力がある)
⇒N殻に2個電子が入る(まだ30個電子が入る余力がある)
⇒M殻に10個電子が入る
という不規則な電子の入り方をする
N殻に2個入る部屋の方がM殻に残り10個入る部屋よりも
エネルギー的に安定なのです。
だから先にN殻に2個電子が向かっていって入り、
次にM殻に10個電子が入るのです。
これが電子殻への電子の入り方です。
この電子殻への電子の入り方を見て電子配置を考えることができます。
今回の記事は以上になります。
お疲れさまでした。