アニリンは有機化合物の中ではかなり重要な物質になります。
なぜなら有機化合物の中で塩基性を示すもので
有名なものがアニリン以外でほとんどないからです。
ちなみに有機化合物とか塩基性の意味がわからない方は
以下の記事をご覧ください。
今回の記事ではアニリンの性質について
わかりやすく解説していきます。
アニリンの性質
アニリンは弱塩基性
アニリンはほとんど水に溶けません。
逆にいうとちょっとは水に溶けます。
水に溶けると$OH^{ー} $を出します。
$OH^{ー} $が出てくるので塩基性を示します。
しかも弱塩基性です。
ちなみにアンモニアも似たような反応をしますよね。
アンモニアは水に良く溶けますが、
アニリンと同じ弱塩基性である点は同じです。
上記反応をイメージすればアニリンの反応も理解しやすくなると思います。
アニリンの色
それから作り立てのアニリンは無色透明です。
ですがずっと放置しておくと酸素と反応し酸化されて赤くなります。
1か月程度放置しておくと真っ黒になります。
こんな感じでアニリンは非常に酸化されやすいという性質があります。
では酸化されやすいアニリンにさらし粉を加えるとどうなるでしょう?
さらし粉も酸化剤です。
なのでさらし粉に酸化されてアニリンは紫色になります。
また二クロム酸カリウムも酸化剤です。
酸化されやすいので
二クロム酸カリウムを使って酸化してあげるとアニリンは黒色になります。
この黒いやつをアニリンブラックといいます。
身近な例を挙げるとボールペンの黒インクですね。
【呈色系】
アニリン溶液はさらし粉水溶液を加えると赤紫色に呈色。アニリンを硫酸酸性二クロム酸カリウムで酸化すると黒色に呈色(アニリンブラック)。※フェノール類に塩化鉄Ⅲ水溶液で紫色系に呈色。— まにまにの化学 (@lovecall514) February 15, 2023
アニリンが無水酢酸と反応すると・・・
あとアニリンは無水酢酸と反応してアセトアニリドを作ります。
アセトアニリドは以前解説したアミド結合を持っています。
これは風邪薬の一種です。
ただ副作用が強いので現在では使っていません。
風邪薬でアセトアミノフェンを聞いたことがあるかもしれません。
アセトアニリドを一部変えたものがアセトアミノフェンです。
なのでアセトアニリドは風邪薬の元の形ということですね。
今回の記事は以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。