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化学

天然ゴムと合成ゴムの違いについてわかりやすく解説

天然ゴム 合成ゴム 違い

今回の記事では
天然ゴムと合成ゴムの違いについてわかりやすく解説していきます。

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天然ゴムと合成ゴムの違い

ゴムの木の樹皮にナイフなんかで傷をつけると
白い液体が出てきます。
粘性のある液体でラテックスといいます。
この液体をいっぱい取ってきて有機酸などと混ぜると
天然ゴムができます。

天然ゴムもちろん天然のゴムのことです。
具体的には自然に存在する樹の樹液を精製してできたゴムが天然ゴムです。
化学的にはイソプレンがつながって天然ゴムはできています。

イソプレンの構造式は『馬』と覚えておくと忘れにくいでしょう。

イソプレンの構造式

上の画像のようにイソプレンは構造式が馬みたいな形をしているからです。

このイソプレンがつながった形をしているのが天然ゴムです。
さっきの馬を修正して書くと以下のようになります。

イソプレン
これがイソプレンの構造式です。

イソプレンの構造式

さっきの馬と見比べてみてくださいね。

イソプレン

ゴムの木から取り出すことができる天然ゴムというのはイソプレンから
二重結合が切れたりしてできたポリイソプレンです。

ポリイソプレンというのは真ん中に
二重結合があるのでシスとトランスが考えられます。

シストランス

このポリイソプレンには長くつながっている部分が(赤線)同じ側に
くっついているシスと長くつながっている部分が対角線上につながっているトランスがあります。

シス型についてはゴムとしての弾力を持ちます。
ゴム弾性があるということです。
このシス型が天然ゴムです。

飛行機のタイヤは天然ゴムを使わないとなかなかうまくいかないようです。
後で解説する石油から作った合成ゴムだとダメみたいですね。

トランスの方に関してはカチカチのゴムになってしまいます。
だからトランの場合はゴルフボールの表面とか
虫歯の治療につかう歯科用充填剤(グッタペルカ)として
利用されます。

シス型はシス型でゴム弾性があるといいながらも弾力が弱いです。
そこで弾力を増やすために硫黄を加えて絡めます。
このことを加硫(かりゅう)といいます。

加硫することでからまるのでゴム弾性が向上します。
また、二重結合が多く残っていると困ります。
どういうことか?空気中に存在するオゾンによって
二重結合がつぶされてゴムがボロボロになってしまいます。

ゴムがボロボロになることをゴムの老化といいます。
硫黄を加えると二重結合が潰れるのでゴムの老化を防ぐことができます。

加硫によって

・ゴム弾性が増す
・ゴムの老化を防ぐことができる

ということです。

それから天然もののゴムは
ゴムの木を育てて人の手を使うので人件費や時間がかかります。
なので売るにしてもコストがかかりすぎるということで
「どうにかして石油から作れないかな?」研究されるようになりました。

石油というのはいろんな物質を作れるので魔法の液体なのです。
どうしても天然ゴムしか使えないような飛行機のタイヤは除いて
他のゴムは石油からゴムを作って代用しようと考えました。

イソプレンの構造式

イソプレンは馬みたいな形なわけです。

四角に何が入るか

上記構造式の□にしたところにC(炭素)がついていればイソプレンです。
でも、□部分を他のものに変えて合成ゴムを作ることができます。

たとえば□が水素Hならブタジエンになります。
ブタジエンがポリマーになるとポリブタジエンになります。

ポリブタジエンはブタジエンラバー(BR)として世の中に存在します。
ブタジエンラバーで有名なものにスーパーボールがあります。

四角に何が入るか

それから□の部分がClになるとクロロプレンです。
クロロプレンがポリマーになったものがポリクロロプレンです。
クロロプレンゴム(CR)として有名です。

他には1,3ブタジエンとスチレンが付加重合によって混ぜ合わせて
できたものをスチレンブタジエンゴム(SBR)といいます。
SBRは車のタイヤや靴底によく使われています。
機械的な力に強いです。

以上のように合成ゴムと天然ゴムでは成り立ちから
用途に至るまでまったく違いますね。

以上、参考にしていただけると幸いです。

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